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フィリピン航空に出資検討 ANAHD、サンミゲルと交渉入り
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全日本空輸を傘下に持つANAホールディングス(HD)が、フィリピン航空に資本参加する方向で交渉を始めたことが8日、明らかになった。現地紙の報道を受けて、複合企業で大株主のサンミゲルが、ANAHDと交渉の初期段階にあるとの声明を発表。ANAHDも「複数社と話し合いを行っており、本件もその一つ」と交渉入りの事実を認めた。
フィリピン航空は、格安航空会社(LCC)の台頭などで業績不振が続き、経営立て直しのためサンミゲルが昨年4月に資本参加した。持ち株会社には現在、実業家のルシオ・タン氏率いるグループが51%、サンミゲルグループが49%を出資しているが、タン氏は保有株を手放す意向とされる。サンミゲルは、ANAHDの協力を新たにあおぐことで、経営基盤を強化したい考えとみられる。
ANAHDは、傘下の全日空を通じ、2011年にマニラ、ジャカルタ、翌年にはヤンゴンと成田空港を結ぶ路線を相次ぎ開設してアジア路線を強化。さらに今後は「アジアに戦略的な投資を行っていく」(伊東信一郎社長)として、4月末に発表した新中期経営計画にも同方針を盛り込んだ。
6月3日にはシンガポールに投資会社を設立。昨年7月に公募増資で調達した約1700億円を活用し、航空会社や空港運営会社といった航空関連事業を行う企業に資金を投じていく。
同社の2014年3月期は、連結営業利益が前期比5.9%増の1100億円と、3期連続で過去最高を更新する見通し。ただ、アジアではアラブ首長国連邦(UAE)の国営エミレーツ航空やシンガポール航空との競争が激化。積極的な投資で競争を優位に進めたい考えだ。