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関西でプレミアムビール対決 サントリーvsサッポロ

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関西でプレミアムビール対決 サントリーvsサッポロ

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 ビール類の出荷量が平成25年上半期として過去最低の水準となるなか、アベノミクス効果で伸びているプレミアムビール市場で、サッポロビールの「エビス」が関西に“照準”を合わせた。

 6月末、ビールと黒ビールをブレンドする「ハーフ&ハーフ」を泡まで実現した「プレミアムミックス」の専用サーバーを神戸の直営店に設置し、広告出稿量も前年比1・5倍にするなど販売促進に力を入れる。大阪はプレミアムビール1位の「ザ・プレミアム・モルツ」を擁するサントリーの本拠地。真夏のプレミアム決戦はどちらに軍配があがるのか-。

 サッポロの「エビス プレミアムミックス」は飲食店向けの専用サーバーで、「エビス」と黒ビール「エビス プレミアムブラック」を泡まで完全に5対5にした商品。泡のクリーミーさが特徴だ。都内で5月に「エビスバー」6店舗で先行販売され、「エビス」の2倍の売れ行きといい、6月27日には神戸市中央区の「エビスバー 神戸三宮店」に関西で初めて専用サーバーを設置した。

 ビール市場は平成15年の5億1344万ケースから縮小が続き、25年は4億2900万ケースまで落ち込む見通しだ。

 一方、素材や製法にこだわるプレミアムビールは、アベノミクス効果による高額商品人気を背景に好調で、今年1~6月の出荷量はビール全体では前年同期比9%減になったのに対しプレミアムは同1・7%増。

 サッポロビールによると、「エビス」は特に近畿圏での売り上げが好調で、同社は「近畿圏のエビスブランド出荷状況は全国のトレンドを牽引(けんいん)している」と分析している。

 これを受け、同社はエリア別の広報活動を強化。ギフトシーズン向けの店頭販売促進も近畿圏では前年より約100店舗多い約700店舗で展開し、今年の「父の日」(6月16日)前の1週間の売り上げが前年同期比4割増となった。

 業界では昨年、キリンビールが特製サーバーでシャーベット状の泡を載せた「一番搾り フローズン生」、アサヒビールがマイナス2度まで冷やした「スーパードライ エクストラコールド」を発売するなど各社とも新しい飲み方を打ち出している。キリンは4月末開業のグランフロント大阪に「一番搾りガーデン大阪」をオープンした。

 一方、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」は今年1~6月の出荷量が前年同期比2・9%増と好調を維持。プレミアムビールの“首位独走”は変わっていない。平成11年からビールのおいしい提供方法を指導し、技術習得店を「樽生達人の店」と認定する制度を始め、4月までに約1万2千店が認定済み。3月には「超樽生達人の店」を始め、既に約300店を突破しており、販売拡大に向け余念がない。(木村さやか)

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