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日野自動車、古河工場移転を前倒しへ 大中型トラック生産

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日野自動車、古河工場移転を前倒しへ 大中型トラック生産

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 6月に就任した日野自動車の市橋保彦社長(61)は25日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、大中型トラックの生産を、日野工場(東京都日野市)から新鋭の古河工場(茨城県古河市)に移転完了する時期について、当初予定していた2020年よりも前倒しする考えを示した。2、3年前倒すとみられる。古河工場を将来のマザー工場に位置づけており、移転を早期に完了することで効率生産を実現し、コスト競争力を高める狙い。

 同社は、日野工場が手狭になったことから、大中型トラックの組み立てを12年に稼働した古河工場に移管し、日野工場を閉鎖することを決めている。

 20年までに移転を完了する予定だったが、市橋社長は「少し時間がかかりすぎる。見直しに着手している」と述べた。両工場での生産は、物流費などコストがかさむため、「できるだけ無駄のない効率的な生産体制を目指したい」とした。

 需要拡大が続く東南アジア市場では、インドネシア、タイ工場に加え、14年にはマレーシアで新工場が稼働する。

 日本から基幹部品を輸出する戦略は変えないが、「基幹部品以外の周辺部品の現地調達率を高め、顧客のニーズに応じたトラックを迅速に組み立てる」方針だ。

 6月からケニアで、基幹部品を輸入し現地で組み立てるノックダウン生産を始めた狙いについては「アフリカの北部と南部ではすでに販売をしているが、中央部は手薄だったので強化したかった」と説明。今年度はケニア向けに300台、来年度は450台を生産する予定で、その後周辺国への輸出も検討する。

 国内市場は「復興需要も多少あるが、当面は横ばい」と想定。「商品の品質だけでなく、アフターサービスや部品など総合力で最大の価値を提供したい」と強調した。

 【プロフィル】市橋保彦(いちはし・やすひこ) 岐阜大工卒。1974年トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。トヨタテクニカルセンター米国社長やトヨタ専務を経て2012年日野自動車副社長。13年6月から現職。愛知県出身。

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