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家庭に置ける3Dプリンター自作キット 意外な需要にビックリ

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家庭に置ける3Dプリンター自作キット 意外な需要にビックリ

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筐体(きょうたい)を四角い箱のように設計した3Dプリンター「セルP」。家庭用のカラーボックスの組み立て技能があれば、3時間ほどで完成するように設計した  Robotma.com 組み立て簡単、量販店でも販売

 インクの代わりに樹脂を使い、入力した設計図通りに立体物を構築する3Dプリンター。ものづくりの現場を変える機器として注目を集める中、ホビーロボット専門店「Robotma.com(ろぼとまどっとこむ)」が、3Dプリンター「CellP」(セルP)の自作キットを発売した。家庭に置いても違和感のないデザインで、大手家電量販店での取り扱いも決まった。初年度500台の販売を目指す。

 セルPは、3Dプリンター「RepRap」(レップラップ)開発のオープンソースプロジェクトから派生した「セルPプロジェクト」で誕生した。扱える樹脂はポリ乳酸とABS樹脂の2種類で、横20センチ、奥行きと高さ18センチまでの立体を出力できるよう設計された。

 プロジェクトを立ち上げた一人である、岡田商店(東京都板橋区)の岡田昇一社長が、「Robotma.com」を運営する。業務用3Dプリンターを所有し、ロボット用部品も作っているが、「業務用は材料も指定品を使わねばならず、試作を重ねると高額になってしまう。汎用品の樹脂材料を手軽に使える機器が欲しかった」と岡田社長は話す。

 海外の3Dプリンター自作キットは外枠などに金属を使っている点を考慮。外枠に中密度繊維板を採用して強度と見た目を改良し、扱いやすくした。セルPデータなどは公開済みだが、国内外から部材を個々にそろえる手間を省いて多くの人に使ってもらいたいと、組み立てキット販売を決めた。

 6月から受注生産を行い、すでに80台が売れたという。ものづくりを楽しみたい個人に加え、3Dプリンターで新事業ができるか調べたい、自社製品モデルを内製化したいといった企業や、2台目の3Dプリンターとして運用費が安い機器を求める大学の研究室など、「意外な需要があって驚いている」(岡田社長)。

 セルP組み立てキットは操作ソフトを含め14万7000円(7月中は11万8000円)。組み立て後の機器調整に対する要望も多く、追加料金で対応するようにした。一方、3Dプリンターは注目度が高いため、家電量販店での販売も決まっている。

 今後は、同時に2つの材料を使って出力できるダブルヘッド機構を備えた機器の販売も計画中だ。

 岡田社長は「立体設計図を作るソフトウエアの3DCADが扱えないと、3Dプリンターでの出力そのものができない。専門知識がないが3Dプリンターで製作したい人はいるので、サポート体制を整えていきたい」と話している。(日野稚子)

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