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民間生保、批判できぬジレンマ 郵政とアフラック提携拡大…根強い警戒感

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民間生保、批判できぬジレンマ 郵政とアフラック提携拡大…根強い警戒感

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 かんぽ生命保険とアフラックの提携強化に対し、かんぽ生命の新規事業参入を「民業圧迫」と批判してきた民間生保各社は、声高に批判できないジレンマに陥った。

 日本郵政がアフラックのがん保険を初めて販売したのは2008年秋。現在でも契約件数が年間1万5000件前後の有力商品だが、2万局での販売となれば主力商品に格上げされる。

 08年にかんぽ生命と提携し、がん保険の共同開発を進めていた日本生命保険は“心変わり”に、「遺憾だ」(幹部)と不快感を示した。生保業界ではがん保険の販売で形勢不利を強いられるとの警戒感は根強い。

 だが、日本のTPP交渉参加という国益がからみ、「水を差すことはできない」(大手生保幹部)と、事実上反発する機会を封じられた。日本郵政が郵便局を日本の民間生保にも開放すれば商機拡大も見込める。

 一方、日本郵政の西室泰三社長は今回の提携を機に経営再建を加速する。半年前倒しした株式上場時期の15年春までの最重要課題に「郵便局ネットワークと金融子会社の有機的連携」を掲げた。その第一歩ががん保険で、今後、他の金融商品販売に広げる可能性もある。

 ゆうちょ銀行、かんぽ生命とも金融庁の規制によって自由に事業展開ができないが、郵便事業会社は新規事業の足かせはほとんどない。規制のない郵便事業会社の2万局という圧倒的な規模の販路を使った収益力向上こそが、西室社長の「成長戦略」の中核となりそうだ。

 ただ、グループ23万人の社員を抱える日本郵政グループの最大のアキレス腱(けん)は人材不足。がん保険の販路拡大も、初年度は1000局から1500局に増やすだけ。「役所意識が抜けない社員が多い」(全国郵便局長会)ともいわれる巨大企業の意識改革こそが成長戦略に血を通わせることになりそうだ。

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