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ビール歳暮商戦、早くもスタート 飲料各社、限定商品で目新しさ訴え
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サントリー酒類は期間限定の「ザ・プレミアム・モルツ〈コクのブレンド〉」(右)のセットで歳暮需要開拓を狙う 中元商戦が終わったばかりというのに、早くも年末に向けたビールの歳暮商戦が始まった。アサヒビールが今年発売した贈答専門の「ドライプレミアム」が中元商戦でヒットしたことを受け、各社は期間限定商品を組み込んだ新たなギフトセットを提案するなど“目新しさ”を訴える。今年の中元用ビール出荷量が2001年の統計整備後初めて前年を上回った勢いそのままに歳暮需要の拡大も狙う。
他社に先駆けたのは、高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」(プレモル)を展開するサントリー酒類。10月上旬から販売するギフトセットに、今月24日に発売するプレモルの期間限定商品「ザ・プレミアム・モルツ〈コクのブレンド〉」を組み込んだ。
これまで黒ビール「プレモル〈黒〉」と組み合わせたギフト商品はあったが、プレモルブランド3種を扱うのは初めて。仙波匠常務は「定番品が好まれる一方で、限定品や新商品を贈答したいニーズもある」と分析する。“限定”という希少性を訴求した提案で、歳暮用セットで前年比12%増の216万セットの販売を目指す。
高級ビール「エビス」を展開するサッポロビールも、赤のパッケージが印象的な限定商品「琥珀(こはく)エビス」のみを梱包(こんぽう)したギフトセットを初めて用意する。「金色のパッケージが多い贈答用ビールのなかで、赤色で目立たせる」(野瀬裕之ブランド戦略部部長)狙いだ。10月以降は、2020年の東京五輪招致のプレゼンターを務めた滝川クリステルさんを起用したギフト用のCMを展開する。「『おもてなし』にふさわしいビールとして、エビスブランドを認知させる」(同社)。
素材にこだわった「ドライプレミアム」のヒットで中元用ビール出荷数が11%増と好調だったアサヒビールも黙ってはいない。同商品を引き続き歳暮用として発売するほか、昨年アサヒグループ傘下に入ったカルピスの商品とビールを組み合わせたセットも販売。歳暮用ビールセットで10%増を狙う。
ギフト商戦で前年割れが続くキリンも、収穫されたばかりの岩手県遠野産ホップを使った期間限定商品「一番搾り とれたてホップ生ビール」のギフトセットを展開する予定。東北地方からしか注文できない限定ギフトも用意するなど工夫を凝らした提案で他社を追随する。