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韓国、輸入ビール消費増加 日本産シェア33.5% 「深い味」存在感

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韓国、輸入ビール消費増加 日本産シェア33.5% 「深い味」存在感

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 韓国で外国ブランドの輸入ビールの消費量が増加している。なかでも人気が高いのは日本産だ。同国のビール市場はオリエンタル・ブルワリーとハイト真露の地場大手2社でシェア9割以上を占めているが、外国産も「味」を売りにシェアを拡大しつつある。現地英字紙コリア・タイムズなどが報じた。

 韓国酒類産業協会によると、今年第1四半期(1~3月期)の外国ブランドビールのシェアは5.7%で2010年の4%から拡大した。また、韓国の関税庁は、今年上期(1~6月期)のビール輸入額が3951万ドル(約39億円)で、前年同期から21%増加したと発表している。

 国別の輸入額では日本が1322万ドルで首位となり、全体の33.5%を占めた。以下、オランダが506万ドル、ドイツが410万ドル、中国が352万ドルで続く。メーカー別ではアサヒビールが首位、サッポロビールが2位だった。

 アサヒビール製品の年間売り上げは05年以降、平均47%の勢いで増加しているという。同社は主力製品の「スーパードライ」の世界販売量の13~15%を韓国市場が占めるとしており、今年は期間限定店舗の「スーパードライ・エクストラコールドBAR」を日本以外では初めてソウルの江南区に出店。シェア拡大を目指している。

 韓国でアサヒビール製品の販売を行う合弁企業ロッテアサヒの幹部は、年内にシェア0.9%を実現したいとしたうえで、「韓国国内の中間層の支持が広がってきており、近くシェア1%を突破できる」と今後の展開に自信を示した。

 韓国の聯合(れんごう)ニュースによると、日本と韓国ではビールの定義が異なっており、日本は麦芽含有量が66.7%以上をビールとしているが、韓国は10%以上でビールと認定している。

 このため、軽くすっきりした味の韓国産とは対照的に、日本産は深い味わいがあり、差別化につながっているという。

 キリン食文化研究所が毎年発表する世界主要国のビール消費量の報告書によると、韓国の11年の消費量は前年比1%増の204万キロリットルで25カ国中17位。アジアでは中国、日本、ベトナムに次ぐ4位だった。

 地場の2強がシェア9割以上という圧倒的な存在感を示すなか、外国ブランドがシェアをいかに獲得していくか、今後の市場動向が注目される。(ソウル支局)

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