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ミホ・シェフ、コラボ商品を全国に拡販 東京マドレーヌ開発

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ミホ・シェフ、コラボ商品を全国に拡販 東京マドレーヌ開発

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ミホ・シェフとJALUXエアポートが共同開発した「東京マドレーヌ」=東京・羽田空港の販売店「BLUESKY」 【成長ニッポン】

 コラボ商品を全国に拡販

 手作りチョコレートメーカー「ミホ・シェフ・チョコラティエ」(東京都港区)が手掛けた新商品「東京マドレーヌ」が9月13日、羽田と成田の両空港内にある販売店「BLUE SKY」に登場した。販売店を運営する日本航空グループのJALUXエアポート(同大田区)と共同で開発した監修商品だ。

 辛口の料理評論家として知られる斉藤美穂社長が率いるミホ・シェフの商品を、JALUXエアポートが扱うのは初めて。佐伯幸夫常務は「斉藤社長はメディアへの露出度が高く、プレッシャーは大きいが、やりがいがある」と意欲をみせる。

 5社と組み10品以上

 ミホ・シェフは、企業とのコラボレーションによる監修商品を増やしている。これまでにもコンビニエンスストアのローソンやミニストップ、北海道小樽市の洋菓子店「ルタオ」など5社と組み、10以上の商品を共同で開発してきた。

 きっかけは斉藤社長が出演したテレビの情報番組だった。斉藤社長は番組を通じ、コンビニやファミリーレストランが開発した商品の完成度やコストパフォーマンスの高さを知った。

 2004年の会社設立以来、斉藤社長は全商品の制作プロセスに携わってきたが、手作りの商品とあって生産数は限られ、全国に届けるのは難しい。ただ、斉藤社長は「今まで培ってきた成果をできるだけ多くの方に知ってもらいたい。それが、ものづくりの神髄だと教えてくれたシェフたちへのお礼」と考えるようになったという。

 東京マドレーヌは2月から商品開発にとりかかり、両社のミーティングは13回を数えた。最も苦労したのは、手作りと量産の違い。「手作りのレシピを応用して『レシピ通りにコピーして』とお願いしても、工場で手作りの味に近づけるのが難しかった」(ミホ・シェフの斉藤大右統括マネージャー)

 完成まで約半年を費やしたのは、斉藤社長自らが制作プロセスの全てに加わり、試食をして評価する工程を妥協を許さず繰り返したからだ。監修商品とはいえ、力を抜くことを斉藤社長は許さない。消費者の評価次第ではミホ・シェフのブランドが傷つきかねない。「マドレーヌのレシピはシンプルなので、ごまかしがきかない」(斉藤社長)とあって、なおさらだ。

 食感を際立たせる歯触りや舌触り、香りの実現に心血を注ぐとともに、焼き方にもこだわり、マドレーヌ発祥の地であるフランス・コメルシー地方の特徴である「中央がぷっくりとふくれている」形を再現した。

 土産物の定番に

 丹念に作られた東京マドレーヌは羽田、成田空港限定で販売される。6個入り1050円で、月間販売目標は3000個。JALUXエアポートの佐伯常務は「味は間違いなく、一度味わってもらえばリピーターになってもらえる。ロングラン商品にするとともに(斉藤社長の)監修商品をシリーズ化したい」と成功を信じて疑わない。

 「東京」の名を冠したこともあり、空港から持って帰る東京土産の定番になってほしいとの期待を寄せる。

 ミホ・シェフにとって監修商品は、量産効果を経験する絶好の機会となり、購入しやすい価格で提供する第2ブランド「MCC Studio」を立ち上げる動機にもなった。

 同社は今後、保有する数百種類のレシピを生かして企業との共同開発を積極的に進める考えで、既に次の監修商品も発売が決まっている。企業との連携が広がれば、ミホ・シェフが誇る味を全国の消費者が楽しめる機会が増えるのは間違いない。(松岡健夫)

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