ニュースカテゴリ:企業
メーカー
東京五輪見据え…監視カメラ新製品続々 防犯需要拡大で開発加速
更新
電機、精密機器各社が監視カメラ事業の拡大に取り組んでいる。キヤノンは機器の小型化を図り、ソニーは低価格の製品を投入。パナソニックは死角のない全方位型の製品で競う。防犯意識の向上に加え、2020年の東京五輪開催を見据えたセキュリティーの強化で需要の拡大が見込めるからだ。国内だけでなく新興国市場での拡販も見据えて開発競争が加速している。
キヤノンは、インターネットに接続して離れた場所で操作や録画ができるフルハイビジョン(HD)対応のネットワークカメラ「VB-S30D」(9万9800円)を12月に発売する。直径約12センチの丸形で、ズームやカメラが縦横に動く機能を備えたモデルとしては世界最小。
威圧感を抑え、店舗やオフィスに溶け込むデザインを採用した。監視対象の場所から物品がなくなったことなどを自動的に認識する機能も搭載し、監視体制の省力化につながるという。
同社は監視カメラ事業を成長分野と位置付け、1月には専門の担当部署を立ち上げた。従来は金融機関のATM(現金自動預払機)コーナーなどに設置する大・中型カメラが中心だったが、担当者は「ラインアップを拡充して拡販を進める」と強調する。
ソニーが9月に発売したネットワークカメラ「SNC-CX600W」は高さ95ミリ、幅61ミリの名刺サイズ。機能を絞り込むことで価格を3万8000円に抑えており、「戦略的な価格設定を生かし、店舗やレストラン、マンションなどへの浸透を図りたい」と意気込む。
一方、国内シェア首位のパナソニックは、360度全方位を監視できるネットワークカメラ「DG-SF438」(15万円)を投入。「店舗内などで死角となる場所も撮影できることから、計画を上回る売れ行きをみせている」という。
調査会社の富士経済によると監視カメラの国内需要は2011年に77万3000台だったが、15年には86万7000台に拡大する見込み。東京五輪の開催を控え、テロ防止などを目的に都内の駅周辺や公共施設、競技場などで設置が増える公算が大きい。
従来のアナログカメラは延長距離が限定されるケーブルで関連機器と接続するため、拠点ごとにシステムを組む必要があった。しかし、普及が進むネットワークカメラは遠隔地からのコントロールが可能で、画像の検索機能も備える。顧客の購買行動の分析など防犯・防災以外にも用途が広がっている。
もっとも、中国や台湾メーカーなどとの競争も激しくなっており、新興国市場の開拓もにらみながら「アフターサービスや監視システム全体の提供で差別化を図る」(国内メーカー)といった動きが強まりそうだ。