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経団連が政権与党に信認表明 政治献金とは無縁
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経団連は23日の会長・副会長懇談会で「政策評価」を決定した。政府・与党の政策に経団連の提言がどの程度反映されかをまとめたもので、安倍晋三政権の経済政策を高く評価している。今夏の参院選の大勝で衆参のねじれ現象が解消し、安倍政権が今後少なくとも3年は続くとみられるため、政党評価ではなく政権与党に対する経済界の信認表明の意味合いが大きい。政策評価の公表は2009年以来、4年ぶり。
評価はA3版の紙1枚に与党の政策を「経団連が主導する政策を積極的に推進しており、高く評価できる」と総評した後、成長戦略、経済連携、エネルギーなど6項目について、経団連の事業方針、与党の実績、今後の課題を一覧表にまとめた=表。野党に対しては付属文書で「健全な政策論議を期待している」と付記した。
経団連は04年に会員企業に政治献金を促す目的で政党の政策評価を開始。経団連の政策提言との合致度や実績をA~Eの5段階で評価し公表していた。だが企業・団体献金の廃止を掲げる民主党政権が発足すると10年から公表を中止した。同党の政策が「経団連の要請とかけ離れており、政策自体も実行されるか不透明だった」(経団連幹部)からだ。
だが昨年末に政権が再び交代し、第2次安倍政権はアベノミクスの推進など日本再生に向けた政策を実行。20年東京五輪誘致にも成功し、今後も法人減税や経済連携協定の推進など経団連が求める政策を実現する可能性が高い。現在の経団連と安倍政権は必ずしも親密ではなく、政策評価の再開は経済政策の推進を促すねらいもある。
ただ、今回の評価は米倉弘昌会長が「かつてのように会員企業に献金額を割り振るようなことはしない」と明言しているため、経団連の力の源泉ともいわれた政治献金とは無縁だ。中村芳夫事務総長は「評価を参考に会員企業が個別に寄付するのは自由だ」としているが、坂根正弘副会長は「当分総選挙はないので、献金の必要もない」と話している。