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新しい波「日本ママ起業家大学」 戦略やプレゼン指南、あす本格始動

ニュースカテゴリ:企業の経営

新しい波「日本ママ起業家大学」 戦略やプレゼン指南、あす本格始動

更新

起業家に占める女性の割合 【成長ニッポン】

 戦略やプレゼン指南

 日本女性起業家支援協会(東京都渋谷区)が運営する「日本ママ起業家大学」が11月1日に本格始動する。主な支援対象は子供を抱える主婦層の起業家。安倍晋三政権が女性の活躍を経済成長につなげる戦略を打ち出すなか、PRや事業戦略にかかわるプログラムを提供し、日本に多くの女性起業家を生み出すための環境を整備する。

 子育てと両立を

 子育て期の女性を対象にした在宅型派遣事業を行うコッコト(さいたま市中央区)の宮本直美社長は、かつて自動車の輸出を行う商社に勤め、20人のチームを率いていた。31歳の初出産を前に退社した。勤務時間を抑えながら続ける道もあったが、周囲に迷惑をかけたくないというのが理由だ。

 出産から数カ月後には仕事の虫がうずき出し、子育てと両立が可能な起業の道を選んだ。「当初はそんなに大きな会社をつくろうという野心はなかった」ものの、引き合いが増え、事業規模も徐々に拡大した。

 子供を抱える女性の多くが起業家の道を目指す動機は「仕事との両立」。ただ、約1000人の女性起業家とのネットワークがある宮本さんは「“業”を起こすほどの覚悟はなく、自分自身を養えればよいといった傾向が強い」と分析する。

 こうした傾向は収入の違いにも如実に反映する。起業家を対象にした調査によると、男性が女性を大きく上回っている。とくに主婦層の場合、月収が数万円程度で、必要経費を差し引くともうけがあまりないプチ起業家が多いとみられる。

 日本政策投資銀行は、女性起業家を対象に、優れたビジネスモデルを顕彰する「女性新ビジネスプランコンペティション」を主催している。ここでも主婦の活躍は目立つ。第1回(2011年)で大賞に輝いたエムスクエア・ラボ(静岡県菊川市)の加藤百合子社長は、子育ての経験を踏まえ、食の安全をいかに伝えていくかといった観点に基づく、新たな青果取引のモデルが耳目を集めた。

 また、応募者の傾向をみると、全般的に「これを解決したい」といった、問題提起型モデルが多い点も特徴だ。

 栗原美津枝・女性起業サポートセンター長は「プランを具現化するネットワークやスキルがなかなか備わらない」と指摘した上で、実際のビジネスへと発展させるには「(対話や助言などを行う)メンタリングやビジネスマッチングの橋渡しが有効」と話す。

 こうしたなか、新たに発足した日本ママ起業家大学は、一連の“ママ”起業家をめぐる問題の改善に取り組む。

 大学では25人を対象に半年にわたって、「心」「戦略」「PR」を身につけるための講義を実施。「成功社長のための事業計画書作成」や「人に共感され、選ばれるプレゼンテーション」など、1回につき3時間、12回分のカリキュラムが用意されている。

 事業モデル進化

 これを通じて目指すのが、ビジネスモデルの進化だ。

 例えば整理収納アドバイザーという資格を取得し、プチ起業家としてデビューしても、顧客が家庭の主婦限定では稼ぎが数千円規模で終わりかねない。しかし、企業のオフィスに焦点を当てれば、1桁多い収入を得られる可能性が出てくる。講義を通じ、こうした思考に磨きをかける。

 受講の最終段階に行われるのが、マッチングプレゼンテーション。「女性の力を活用したい」と思う企業の担当者を前に、商品・サービスのアピールを行う。昔のアイドル発掘番組「スター誕生」のような仕組みで、認められた場合は大企業と連携し大きなビジネスへと発展する可能性がある。

 日本ママ起業家大学の近藤洋子代表理事は「事業拡大に向けた動きが相次ぐと、新たな雇用を生むようになり日本経済にとってプラスになる。ママ起業家という新しいスタンダードな働き方を提唱したい」と話す。

 家事代行サービス業、ベアーズの高橋ゆき専務は日本ママ起業家大学の顧問を務める。同社は夫で社長の高橋健志氏とともに設立された。夫婦で香港で働いていたとき、メイドが存在したからこそ仕事も充実し、子宝にも恵まれた。しかし日本に帰国したら、メイド文化がないことが改めて分かった。

 「個人商店ではなく産業を確立したい」。高橋夫妻はそんな思いで家事サービス分野のリーディングカンパニーを目指してきた。「身近なロールモデルとして、体験を伝えていきたい」と、高橋ゆきさんは語る。

 政府は成長戦略で、4%台の開業率を英米並みの10%程度に引き上げ、女性を重点的に支援する方針を打ち出している。日本ママ起業家大学の取り組みの成果は注目を集めそうだ。(伊藤俊祐)

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