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東京の女性、家着ほとんどユニクロ? 海外よりも大きい見た目のギャップ
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ジャカルタ在住の田中優未さん 先日の日本滞在中、アポの合間をぬって映画館に飛び込み、宮崎駿監督『風立ちぬ』を観た。恋愛がシンボリックに扱われながら「丁寧に生きる」ことが飛行機の設計を通じて描かれている。そう感じた。
さて、数週間前に目にしたアジア各都市に住む20代半ばから30代半ばの女性を対象としたアンケート調査結果が気になっている。いくつかの項目のなかで一つだけ東京に住む女性の回答が他と大きく傾向を異にしている。
「あなたは家着を気にしないか?」との質問に対する回答だ。アジア各地の女性の30%前後が「気にしない」と答えた。即ち70%は自宅の服に気を使う。
一方、東京の女性は約70%が「気にしない」と言う。東京の女性は外でストレスフルな生活を送っているのだなあ、とぼくは思った。他都市の女性と差が大きすぎる。「おい!大丈夫か?」と思わず心配になる。東京の女性は「丁寧な生き方」をしていないのだろうか。あるいは「丁寧過ぎる」のか。
そこでジャカルタ在住で日系企業に働く田中優未さんに意見を聞いてみた。彼女は上記のリサーチの対象年齢だ。
「実感として分かります。Tシャツと短パンと同じような格好をしていても、東京の女性の方がだらけていると思ってしまうんですよね。外にはスッピンで出かけにくいから、家の中でくらいはゆるくしていたいと思うからでしょうか」が田中さんの第一声だ。
東京にいる間、ぼくは何人かの女性に同じ質問をぶつけた。東京の女性が家着に気を使わないことを意外に思う人は誰もいなかった。「ほとんどの人は家のなかでユニクロを着ているんじゃないかしら」とまで言う。一民間企業がそこまでの文化を作ったならすごいが、そういう文化に嵌る服を提供しているのがユニクロである、といった方が適切だろう。
田中さんは「ジャカルタでは家族と住む女性が多く、独り暮らしが少ないのが原因では?」とも想像したが、東京に住む女性は「私の周囲の友達をみる限り、親や姑と同居していても変わらない」と語る。
「上層クラスの人たちは服に相当気を使っているようですが、カジュアルなコミュニティや普段から気の合う仲間だったりすると、化粧なしに出歩くのも平気だそうです。日本人は周りに気を使うからいつでも化粧をするという話をしたら驚かれます」と田中さんは言う。
見た目の内と外のギャップが大きいのが東京に住む女性の特徴だ。
現在、東京でシェアハウスが好まれるのは給与水準の低下によるとの見方があるが、「服を気にしないライフスタイルの影響もあるんじゃないですか? だからか、若い男女が一緒に生活しても恋愛に発展しないようですよ」との声も耳にした。
このテーマは一見オシャレであるかどうかではない。ファッションに関心がありそうな女の子が、山手線の車内で他人の目を気にせず化粧に励む。その彼女が家では全く服に注意を払わないことに何のうしろめたさがない(いや、気を使わないエリアが公的空間まで拡大したとも考えられるが)。
そして、たぶん、ジャカルタの子はバスのなかで化粧をせず、家のなかで「服に気を使わない」こと自身に違和感がつきまとうのではないか。
ここに問題の焦点がある。
「日本はパーティの内容によってスタイルを変えたり、今日は崩してもオッケーとか、メリハリをつける場所、習慣が少ない気がしますね。ジャカルタには、それがあります。クラスには関係なく皆このメリハリを楽しんでいます。今日の服装は白しばりね。と色を決めたり、思いっきりゴージャスなドレスで決めてみたり。スポーツとかにテーマをきめてオシャレを楽しむこともあります」
田中さんはジャカルタのファッションライフをこう説明する。東京では外着に義務感が伴いすぎていると感じているようだ。
東京はアジアのファッショントレンドをリードしていると認識している人が多いと思うが、上述のように内と外のギャップが激しいことをあえてポジティブにみるとすれば、どういう説明が可能だろう。「カジュアルファッション」の普及先進国とみるべきなのだろうか。