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スタバ、新興国で拡大戦略加速 急ピッチの海外展開を危ぶむ声も
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米コーヒーチェーン大手スターバックスが事業の拡大戦略を加速している。喫茶店のイメージから「進化」し、ファストフード店も意識した食事メニューの充実ぶりに加え、米本国では紅茶やフレッシュジュースの販売を強化。アジアや中南米など新興国市場にも出店攻勢をかけている。
首都ワシントンのホワイトハウス近くのペンシルベニア通り。ホテルに近接したスターバックスのにぎわう店内で、ケイティー・バリルさん(31)は昼食代わりのサンドイッチと紅茶を同僚と楽しんでいた。
コーヒーは苦手というバリルさんだが「店の雰囲気が気に入っているし、軽食メニューも増えた」のでよく利用するという。
スターバックスは昨年、人気ベーカリーの米ラブランジェを買収した。ラブランジェの拠点のカリフォルニア州サンフランシスコでパン販売を試験的に始め、米全土に広げる方針で、アナリストは「ダンキン・ドーナツなどに対する競争力がつく」と指摘する。
8月には傘下のジュースメーカーのエボリューション・フレッシュが、有機食品主体のスーパー大手ホールフーズを通じて非加熱フレッシュジュースの販売を始めた。年末までにスターバックス店舗など全米約8000カ所で販売を見込む。早くから紅茶も取りそろえていたが、10月24日にはハーブティーなど好みのお茶をその場で楽しめる専門店をニューヨークでオープン。買収した茶葉専門店「ティーバナ」が運営し、来年以降は海外にも展開する。
10月30日に発表した7~9月期決算は最終利益が前年同期比34%増で、既存店売上高も7%増と高い伸びを示した。シュルツ最高経営責任者(CEO)は「飲み物や食事メニューの見直しでまだ伸びる」と鼻息が荒い。株価も今月最高値を更新するなど勢いがある。
2万店近い店舗のうち、1万1000を占める米国が依然業績を牽引(けんいん)するが、海外出店も加速中。北米以外で初めて進出した日本は約1000店に到達した。
中国も現在の約1000店から2015年までに1500店に増やし、マレーシアなど東南アジアも拡充。来年にはコーヒー豆の供給元のコロンビアにも進出し5年間で50店舗を展開する計画だ。
ただ、急ピッチとも映る海外展開を危ぶむ声は少なくない。中国では「コーヒー価格が高く暴利をむさぼっている」と中国メディアが相次いで非難する騒ぎが起きた。メニューの拡大についても厨房(ちゅうぼう)などの莫大(ばくだい)な設備投資が必要とみられ、米誌タイムは「危険な賭けでもある」と指摘する。
「スターバックスのブランド価値を高める努力を続ける」と話すシュルツ氏のかじ取りに注目が集まる。(ワシントン 柿内公輔)