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【IT産業の発展とともに 富士通BSCの50年】(7-3)
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■黎明期からクラウド普及期まで 情報通信システムの発展に貢献
富士通ビー・エス・シー(BSC)は、2013年11月に創立50周年を迎えた。日本の情報化の黎明(れいめい)期に出発し、オンライン化、ダウンサイジング、モバイル展開など時代の変化に応えてシステムインテグレーションビジネスを拡大し、エレクトロニクス製品への組み込みシステムや情報セキュリティー分野でも独自技術を進化させてきた。情報通信システムの発展に貢献してきたBSCの50年を俯瞰する。
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■1960年代 黎明期に応える
創業期の1960年代、BSCは、コンピューターにデータを入力するためのパンチカードビジネスからスタートした。
最初の飛躍は、大阪万博開催後の1970年代である。コンピューターと電話回線を結ぶオンラインシステムが本格化、BSCは1971年から金融機関のオンラインシステムや電電公社(現・NTT)のネットワークシステムづくりに参画した。
その後、74年には富士通の汎用(はんよう)コンピューターのベーシックソフトウエア開発に携わるなど、ソフトウエアビジネスの幅を広げていった。この時期、気象庁の気象衛星システム、大蔵省(現・財務省)の官庁会計システムをはじめ、銀行オンラインシステム、企業向けの各種アプリケーションシステムの開発に貢献している。
75年に富士通グループの一員となったBSCは、富士通とともに官公庁や企業向けの大型のシステムインテグレーションを担うとともに、78年には、エアコンやVTRといった家電製品や各種産業機器などに搭載するマイクロコンピューター向けのエンベデッド(組み込み)システムもスタートさせている。
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■1970、80年代 全国に拠点を広げ、自社製品を開発
1970年代に現在に至る事業の柱を確立したBSCは、80年代以降、情報通信の高度化・自由化により、ITビジネスが一挙に花開き、通信、官公庁、自治体、金融、産業・流通、建設などあらゆる分野で、多角的なシステムインテグレーションを展開してきた。82年には仙台支所を開設し、その後、東海(現・三島)、堂島(現大阪)、福岡などに拠点を広げ、全国レベルのサービス&サポート体制を築いてきた。
そして、86年に「株式会社富士通ビー・エス・シー」に社名変更し、80年後半には、自社ブランドによるパッケージ製品も発売している。同社のパッケージ製品は、システムインテグレーションを通じて蓄積してきた高い技術やノウハウをパッケージ製品として集約したものであり、広い分野で業務効率の向上に大きな貢献を果たしている。こうした取り組みが、現在ソリューションビジネスにつながっている。
また、情報システムの分散処理化、ダウンサイジングに応えて、パーソナルコンピューター、ワークステーション向けのシステムに対応するなど、IT環境の変化にも適宜対応し、実績をあげている。
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■1990、2000年代 グローバル化とクラウドビジネスへ
1992年、BSCは、中国・北京に中国科学院の外郭機関と、合弁会社「北京思元軟件有限公司」(BCL)を設立した。経済発展に向けて情報化に力を注ぐ中国において、BCLは着実に発展を遂げてきた。現在、BCL北京本社を中核に、大連、上海、蕪湖に開発拠点を拡大している。
事業展開では、一人一台のパソコン時代を迎えて、情報保護の重要性に着目し、97年に暗号セキュリティー製品「SECURE PC CARD」を発売した。BSCのセキュリティー製品は、現在、パーソナルコンピューター、サーバー、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット)など、さまざまな環境において包括的に企業の情報を守るトータルセキュリティーソリューションに発展している。
ITの進化とともに発展してきたBSCは、2000年に日本証券業協会店頭登録(現・東京証券取引所JASDAQ市場)の形で株式を公開したが、日本の長引く不況と米国のITバブル崩壊の影響で、03年度に大きな損失を計上している。この厳しい局面にあたって、BSCは、システム開発に係るプロジェクトマネジメントを強化することに加え、セキュリティー、エンベデッドなどの優位技術に特化したビジネスを推進し、04年度以降、V字回復を果たした。
09年には、ニコングループとの合弁で、デジタルカメラのファームウエアを開発する「ニコンイメージングシステムズ株式会社」を設立するなど、新たなビジネス展開をはかっている。
さらに、10年にはCAP21クラウドやFENCE-Mobile RemoteManager等の製品を投入し、クラウド環境を活用する新たな情報サービスビジネスを切り開いている。
そして、創立50周年を迎えた2013年、BSCは次なる50年へ飛躍を期している。