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“カップヌードル名刺”その効果は? 「つかみ」は十分!会話も弾む

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“カップヌードル名刺”その効果は? 「つかみ」は十分!会話も弾む

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日清食品HDのカップヌードル型名刺。親しくなるまでに3分不要?  「初めまして、よろしくお願いします」-。差し出された名刺には会社名、氏名、連絡先が書かれていた。ただし形は長方形ではなく、下が少し細い台形で上部はやや丸みを帯びている。裏返すと「CUP Noodle カップヌードル」というおなじみのマーク。名刺はカップ麺を横から見た形だったのだ。

 日清食品ホールディングス(HD)は今年、商品型の名刺を導入し、社員が営業などに活用している。初対面から場が和やかになるまで、3分も必要がなさそうな名刺。その効能は-。

 どん兵衛にチキンラーメンも

 日清HDは今年10月、持ち株会社制へ移行して5周年を迎えたのを機に、同社とグループ会社計8社の全従業員に対し、一般的な長方形のタイプのものをやめて、商品型の名刺を導入した。

 名刺のタイプはカップヌードルだけではない。カップうどんの「どん兵衛」や、袋麺の「チキンラーメン」「チャルメラ」、チルド麺の「つけ麺の達人」のほか、シリアルの「シスコーン」など実に24種類に及ぶ。

 使用する名刺の基本デザインは会社ごとに決まっており、日清食品HD、日清食品などの社員は「カップヌードル」タイプを、明星食品社員は袋麺の「チャルメラ」を-といった具合。ほかにマーケティング部門の社員は自分たちが関わる商品の名刺を使用することになっている。

 あいさつでインパクト

 日本のビジネスマンが使う名刺は通常、縦長または横長の長方形で、サイズは91×55ミリメートルが標準だ。

 商品型名刺を導入した狙いは「日清食品らしさを表現するため」(同社広報)。日本の名刺は初対面の人とのあいさつで、商談に入る前に差し出すのが商習慣。ビジネスのコミュニケーションツールだが、商品型をしていれば「ブランドのアピール力」が格段に高まるという。

 「あいさつのインパクトが大きく、受け取った方からは『ユニークなデザインですね』と反応が大きいようです」と広報担当者は自信を見せる。使用する社員の側からも「話を盛り上げる“つかみ”になった」と好評な声があがるとか。

 名刺交換がしたい!

 形がユニークなだけに、受け取った相手が保管に困ったりはしないだろうか?

 ところがデザインとともにサイズにも細かな配慮がされており、市販の名刺入れや整理ファイルなどにすっぽりと納まるという。このため、丸形や台形の名刺は、通常の名刺より少しだけ小さめにつくられている。

 デザイン優先で“犠牲”になった部分もある。「文字を小さめにしているので、少し読みにくいかもしれません。後は、名刺ケースの中で安定せず動いてしまう」(広報担当者)という。

 また、当然ながら普通の名刺よりコストは高い。とはいえ「導入の効果は十分にある」(同)といい、見た目のインパクトによるメリットと比べれば、問題にならないようだ。

 「自信をもって初対面の人と話ができる。名刺交換がしたくなる」とある社員。ユニークな名刺で会話が弾むことで、営業成績が一段と向上するかもしれない。(阿部佐知子)

◇会社データ◇

 本社=(東京本社)東京都新宿区新宿6-28-1

   (大阪本社)大阪市淀川区西中島4-1-1

設立=昭和23年9月4日

 事業内容=即席麺、チルド食品、冷凍食品の製造、販売など。

 売上高=3827億9300万円(平成25年3月期)

 従業員数=7822人

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