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【挑む】ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京 岡本拓也代表理事
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■社会の課題解決に出資・経営を支援
社会的な課題の解決に事業として取り組むソーシャルビジネスへの関心が高まる中、専門性の高い社会人が、出資と経営支援を行う仕組みが注目を集めている。NPO法人(特定非営利活動法人)ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京は、パートナーと呼ばれる出資者が選定した事業に上限200万円の出資と最長2年間の事業協力を行う支援組織。パートナーはそれぞれが企業や組織で働くプロたちで、支援先に新たな活力を注いでいる。
--支援先の選び方は
「応募のあった企業や団体について使命、事業計画、人材など10の項目をパートナーが採点し、50程度の応募から3~6つを選ぶ。支援先が決まるとパートナーは立候補により15人程度のチームになって戦略や財務・会計、組織設計、広報などの経営支援を行う。支援先とパートナーは2週間に1回程度のミーティングを開き、事業成長のために協働作業する」
--パートナーの顔ぶれは
「年間10万円の出資が条件でコンサルタントや経営者、金融、研究者、士業、公務員などさまざまな経歴をもった人が参加している。男性が6割強で20代後半から50代以上もいる。出資先が利益を上げてもパートナーに金銭的報酬はない。そのかわり、支援先やパートナー同士で地域や職業を超えて志を同じくする人のコミュニティーを形成できる。本業の傍らの支援だが、専門性を生かせるとともに情報や人脈も得られる」
--これまでの支援先は
「社会的な課題の解決に取り組み、かつ革新的な事業を選んでいる。病児保育サービスに特化したNPO法人フローレンスを筆頭に、産後セルフケアや働く母親のサロンなどを展開する団体、街中でワンコイン検診を行うベンチャー企業などが巣立っている。支援の必要ということで女性支援や介護、育児などの分野が多い。まだ知られていない難民支援などもある」
--もともとは米国発の仕組みを導入した
「SVPは1997年にシアトルで発祥し400近くの組織に36億円以上の投資実績がある。SVP東京は、大学や商社の関係者らがアジア初のSVP組織として2003年に立ち上げた。私自身、外資系企業に勤務の傍らパートナーとして参加しており、独立後に創立者から引き継いだ。米国は退職者層の参加が盛んだが、日本は現役の働き手が多いのも特徴だ」
--今後の展開は
「仕事に対し報酬だけではなく、やりがいや社会的価値を重視する流れが日本で起きている。東日本大震災後にその傾向が強まり、SVPも政府のリポートで取り上げられたり、東北支部の話も出ている。出資とともに時間や専門性を投資するSVPモデルを広めていきたい」(滝川麻衣子)
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【プロフィル】岡本拓也
おかもと・たくや 関西学院大商卒。公認会計士資格を取得後、大手監査法人などを経て、英コンサルティング会社、プライスウォーターハウスクーパースに入社し、企業再生に従事。2011年3月に独立、同6月にソーシャルベンチャー・パートナーズ東京の代表理事に就任。36歳。大阪府出身。
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【会社概要】ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京
▽所在地=東京都千代田区神田錦町3-21 ちよだプラットフォームスクウェア1244
▽設立=2003年7月
▽従事者=パートナー96人
▽事業内容=社会的課題に取り組む組織への出資と経営支援。専門性の高い人材による社会的課題の解決