SankeiBiz for mobile

大手2社、ビール離れ阻止へ新戦略 プレミアム通年販売、定番商品改良

ニュースカテゴリ:企業のメーカー

大手2社、ビール離れ阻止へ新戦略 プレミアム通年販売、定番商品改良

更新

アサヒビールはスーパードライの事業戦略を発表、高級ビール「ドライプレミアム」(左)の通年販売のほか、従来商品の味を向上させる=12日、東京都千代田区  アサヒビールとキリンビールのビール大手2社は12日、主力ビール商品の新戦略を発表した。アサヒは中元やお歳暮ギフト向けに限定販売した高級ビール「スーパードライ ドライプレミアム」を来年2月18日から通年販売するほか、キリンも「キリン一番搾り生ビール」を改良する。ビール市場の縮小が続く中、定番商品の強化で消費を喚起する。

 ドライプレミアムは、アサヒが今年の中元商戦からギフト専用として投入した。中元では目標の約2.7倍となる189万セットを販売。お歳暮用でも売り上げを伸ばしており、目標の年間320万セット達成が見込まれる。

 消費者からは、「ギフト以外でも手に入れたい」との要望が強く、原材料確保の見通しは立ったことから、通年販売に踏み切った。通年タイプではアルコール度数を5.5%から6%に変更するなど、贅沢なコクを感じられるように改良している。店頭での想定価格(350ミリリットル缶)は、250円前後で、約320万~330万ケース(1ケース大びん20本換算)の販売を目指す。

 また、優良な酵母を選別する技術を新たに導入し、通常のスーパードライものどごしの良さと泡のきめ細かさを改良した。

 キリンは2009年以来、約5年ぶりに一番搾りの製法改良に着手、ビールを飲んだ際に感じる雑味を約20%低減させた。12月中旬から順次、新製法を採用した商品を製造する。

 主要ビール5社の1~11月の累計出荷量は前年同期比1.1%減で、年間出荷量が9年連続の前年割れとなるのは確実な見通し。若者を中心に、低アルコール飲料やワインなどに需要が移っているほか、少子高齢化を背景とした市場縮小がビール離れの要因だ。アサヒビールの小路明善社長は、「消費増税などもあるが、顧客に評価されている商品を積極的に展開することで、要望に応えたい」と、巻き返しに向けた意欲を示した。

ランキング