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関西財界に求められる力技 特区構想、リニア新幹線…重要課題に期待
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今春、オープンした「グランフロント大阪」。関西財界の活動が実を結んだ成果のひとつだ
地域経済のとりまとめ役として、地域振興に取り組む経済団体。東京との対抗軸を目指し、伝統ある活動を続けてきた関西財界にとって、今年は長年の懸案だったプロジェクトが実を結んだ年となった。
象徴的だったのが大阪駅北側の再開発地域「うめきた」1期の結実。関西財界では、複合商業施設のオープンというより、その意味は重い。バブル崩壊後の厳しい経済情勢のなか、関西経済同友会が行った提言をきっかけに動き出したプロジェクトだったからだ。財界関係者は「関西国際空港開港(平成6年)に次ぐ関西の大型プロジェクト」と位置付けていた。
10月には、医薬品や医療機器の承認審査を担う独立行政法人、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の関西支部がグランフロント大阪にオープン。関西経済同友会・鳥井信吾代表幹事=サントリーホールディングス副社長=は「許認可事業が東京に集中していた態勢が見直された」と評価する。
国鉄民営化以降、四半世紀以上かけて行政と経済界が取り組んだまちづくりの集大成を、関西経済の浮揚にどう生かしていくかが問われる段階に入った。
企業や人口の流出が続き、地盤沈下が叫ばれ続ける関西経済。12月の日銀短観の全国の中小企業の業況判断はプラス転換したが、近畿はマイナスだ。
平成32(2020)年の東京五輪開催で、インフラ投資などの東京一極集中の加速も予想され、関西財界では「地方に目配りを」(関西経済連合会・森詳介会長)と注文を出しているが、財界幹部は「(自主的に)何もしなければ、関西は埋没する。何か仕掛けていかなければ」と危機感を示す。
だが、うめきたの2期開発でも、コンセプトをめぐって関西財界内で意見がまとまっておらず、具体化の動きは鈍い。景気回復の起爆剤を欠いている。
ある関西財界の長老はこう話す。「財界の活動は、地域の御用聞きと小間使いだ。フットワークを軽くし、汗をかくこと」。うめきた再開発では、国の支援を得るため、週に1回のペースで半年以上、省庁が集まる霞が関や永田町に通い詰めたことを振り返る。「提言だけで終わらず、行動に移す」(財界長老)ことが大事だとクギを刺す。
「日本最大の圧力団体」。かつて、来年に開港20周年の節目を迎える関空の建設では、東京の財界人らも巻き込んだ陳情攻勢で、当時の自民党幹事長からこう言わしめた関西財界。
特区構想の活用、規制緩和、リニア中央新幹線の開業など関西経済の浮沈にかかわる重要課題は多い。力技に期待したい。(内山智彦)