SankeiBiz for mobile

【午年に翔ける】住友化学社長・十倉雅和さん(63)

ニュースカテゴリ:企業のメーカー

【午年に翔ける】住友化学社長・十倉雅和さん(63)

更新

十倉雅和さん  ■サウジ合弁の安定操業で中国に対抗

 --2013年度から始まった新しい中期経営計画の手応えは

 「財務数値としては円高是正効果もあり、良いスタートが切れた。情報電子化学、健康農業分野、医薬事業の3事業は10%以上の営業利益率を稼ぐまでに成長した。強固な3分野をそろえているのが強みだ」

 --一方で手応えが不十分だったのは

 「15年5月の千葉・エチレン設備の停止を決め、不採算の誘導品生産事業から撤退するなど再構築を進めた。千葉の再構築は予定の8~9割まで順調に進んでいる。収益力が低下しているナイロン原料のカプロラクタムやアクリル樹脂原料のメチルメタクリレート(MMA)事業も何らかの手を付ける必要がある。生産拠点の愛媛工場の再構築はさらに進めなくてはならないだろう」

 --具体的には

 「愛媛ではリチウムイオン電池材料の高純度アルミナなど高付加価値で需要のある素材も製造している。こうした独自性のある事業を伸ばしながら、不採算事業はシンガポールとサウジアラビアの海外拠点に移していく。愛媛には石炭火力をベースにした自社の電力会社があるので、電力コストは非常に低い。こうした独自材料の生産技術と安価な電力調達という強みを生かした最適生産を進めていく」

 --中国などの新興国では石油化学製品の供給過多により採算性が悪化している

 「新興国の成長減速に加え、中国はリーマン・ショック後、国営企業などが中心となり石化製品の生産設備を大幅に増強した。需要よりも供給が伸び、石化製品の価格は下がり続けている。海外の基礎化学品事業の改善は時間がかかると覚悟した方がいい。当社は、サウジアラビアの国営石油会社との合弁会社ペトロ・ラービグで、シェールガスやナフサに比べても安価なエタンを原料に石化製品を作っている。ラービグの操業を安定化させることで、中国のコスト競争力に対抗する」

 --新しい事業も育っている

 「世界シェア約15%の飼料添加物メチオニンが鶏肉需要拡大を背景に伸びており、生産増強も考えている。除草剤フルミオキサジンは南米を中心に販売が拡大し、大分工場の生産能力を15年までに11年比3倍に高める。売上高は400億~500億円になる見込みで、農薬のブロックバスターに育てるつもりだ」(西村利也)

【プロフィル】十倉雅和

 とくら・まさかず 東大経卒。1974年住友化学工業(現住友化学)入社。2003年執行役員。常務、専務を経て11年4月から現職。兵庫県出身。

ランキング