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産業界、アフリカ市場に照準 首相きょうから訪問 官民トップセールス

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産業界、アフリカ市場に照準 首相きょうから訪問 官民トップセールス

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 商社や産業界でアフリカ市場の開拓機運が高まってきた。中東やアフリカのコートジボワール、モザンビーク、エチオピアの計4カ国を9日から訪問する安倍晋三首相に新日鉄住金や三菱商事、三井物産、ヤマハ発動機などの首脳ら延べ50人が同行し官民でトップセールスを展開。特にモザンビークは南アフリカに次ぐ今後の重要投資先として関心が高い。ただ潤沢な資金をアフリカに注ぎ込む中国に対抗するには、プロジェクト内容などで思い切った差別化が求められそうだ。

 インフラ整備で支援

 「豊富なガスを使い、肥料産業などの育成を目指すモザンビークの国づくりを支援したい」。同国ロブマ沖で進むガス田開発事業に参画し、2018年をめどに液化天然ガス(LNG)輸出を計画している三井物産の飯島彰己社長は、こう意気込む。

 首相のアフリカ訪問には味の素や三菱航空機、双日、豊田通商の首脳らも同行する。三菱航空機はアフリカ地域内だけでなくインドなどの新興国との間を結ぶ路線に商機を見いだし、国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」をエチオピア航空に売り込む構えだ。

 丸紅は4月にも南アフリカの駐在員を現在の2人から約10人に増やし、「電力インフラ事業や新規の案件を探る」(国分文也社長)という。

 資源頼みの産業構造から脱却しようと、モザンビークが重視するのは雇用拡大につながる農業開発だ。ブラジルのセラードでの成功例を再現し、北部地域を「食糧倉庫」とするプロサバンナ構想も日本とブラジル政府の後押しで動き始めた。この構想には大豆の安定輸入に向けて伊藤忠商事が関わっており、日本政府も「円借款によるインフラ整備などで支援したい」(外務省幹部)とする。

 ただアフリカへの投資は残高ベースで欧米や中国、韓国に水を空けられている。日本は後発だけに、ポルトガルを旧宗主国とするモザンビークを取り巻くパワーバランスにも配慮が欠かせない。1995年に英連邦に加盟した一方、緩やかな国際組織「ポルトガル語諸国共同体」にも加わっており、ブラジルなどポルトガル語圏の各国の思惑も複雑に絡み合い、リスクを回避するしたたかさが必要となる。

 中国勢と差別化

 一方、モザンビークの原料炭事業に参画する新日鉄住金は、原料炭の日本への安定供給を目指すが、輸出港まで運ぶ鉄道網などの整備が鍵を握るだけに、日本政府の支援も課題だ。

 消費市場を狙う動きも活発化している。西アフリカのコートジボワールでは味の素が2013年4月、うま味調味料の包装工場を最大都市のアビジャンで本格稼働した。豊田通商も子会社を通じて仏カルフールと提携し、15年にアビジャンで小売りに乗り出すことを決め「日本の食品メーカーから引き合いが急増している」(加留部淳社長)。

 エチオピアでは日本流の「人づくり協力」も進める。日本はこれまでの外交成果も前面に出し、中国勢との差別化をアフリカ諸国に最大限アピールしたい考えだ。(上原すみ子)

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