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【午年に翔ける】鹿島社長・中村満義さん(70)

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【午年に翔ける】鹿島社長・中村満義さん(70)

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 ■「安請け負い」せず付加価値重視

 --公共事業費が増額され業界に活気が戻っている

 「新政権の1年間で、日本はバブル崩壊後の長い不況から一歩前へ踏み出す自信と光を取り戻したように思う。でも昨年は台風や豪雨で多くの方が亡くなったことを忘れてはいけない。その命の重さは東日本大震災の犠牲者と同じ。復興需要が本格化し、民間設備投資も一部は持ち直してきているが、脆弱(ぜいじゃく)な日本を、国民の命を守るという観点から考え直す必要がある」

 --「命を守る」とは

 「BCP、いわゆる事業継続計画は民間企業におけるインフラ整備だが、政府には国民の命(ライフ)を守るLCPという計画に取り組んでほしい。例えば豪雨などで避難命令が出る地域は、堤防が決壊する恐れがある。だが、次に災害が起きたら避難しなくても済む対策が、平時に必要だ。『万が一』の対策は無駄とはいえないし、何か起きたら『想定外だった』と担当者が謝ることとは表裏一体の関係だ。ただこうした公共事業を民間活力でやろうとしても、収益が確保できないので手を出せない。政府に前向きに考えてもらいたい」

 --今年の事業展開は

 「建設工事は2~3年にわたるものが多く、デフレ経済下で受注したものがまだ残っている。加えて資材高騰や人材不足で経営環境は相当に厳しい。実情をお客さまに理解していただき、誠実な企業としてコストミニマムを提供していく。最初に価格や工期を誠実に説明し、『安請け負い』はしない。付加価値も大事な要素で、例えば新宿三井ビルディングの屋上には日本で初めて超大型制震装置を置く。これからはこうした研究開発(R&D)がいっそう重要になる」

 --2020年東京五輪でのビジネスチャンスは

 「競技場など専用設備の施工を複数の企業で取り合うことになるだろう。1社当たりで数百億円程度と考えれば、そう大きなものではない。われわれが果たすべきなのは、限られた時間の中で仕事をどうやり遂げるか。五輪で経済運営が安定し、基幹産業である製造業が元気を取り戻して、設備投資が生まれることを期待したい」

 --JR東海のリニア中央新幹線の着工も近い

 「山間部の大深度でトンネルを施工する難易度が極めて高い工事。地層を見ても相当な難工事が予想され、コストもかかるだろうが、できることなら参画して、当社の土木技術の総力をつぎ込みたい」(藤沢志穂子)

                   ◇

【プロフィル】中村満義

 なかむら・みつよし 慶大法卒。1965年鹿島入社、取締役広報室長、常務、専務を経て2005年6月から現職。東京都出身。

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