なぜ日本は原発作業ロボを創れないの? 技術あっても「宝の持ち腐れ」
更新新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで、千葉工業大をはじめ、三菱重工業や日立製作所など大手企業が原発構内で作業できるロボット関連技術を紹介した。しかし、あるベンチャー企業関係者は「日の丸技術のお披露目会のようだったが、大手など限られた企業や大学だけの発表会で、オールジャパンではない」とこぼす。
世界の産業用ロボットで世界の5割超のシェアを持つ日本メーカーだが、福島第1原発事故では原子炉建屋に初めて投入されたロボットが米国製だったことにショックを受けた。その後、冷却設備の機能を確認するのに千葉工業大の和製ロボットが使われたことで面目を施したが、実績値が高い米国製ロボットに頼っているのが現状だ。
日本原子力発電が導入した原発施設内で放射線量の測定や撮影を担うロボット3台も米国製だ。今後、ロボットを10台程度に増強する方針で、日本製の採用も考えられるが、ベンチャー企業への門戸はほぼ開かれていない。
この閉鎖的な状態に、米国のロボット技術者がこう指摘する。
