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【午年に翔ける】JR東日本社長・冨田哲郎さん(62)

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【午年に翔ける】JR東日本社長・冨田哲郎さん(62)

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JR東日本社長・冨田哲郎さん  ■インフラ輸出推進、年600人海外派遣

 --今年の経営上のキーワードは

 「1つ目は、安全・安定輸送を通じた輸送品質の向上だ。現場の社員がさらにやりがいを持って仕事ができる環境を整えて、その力を結集させる。2つ目は、地域の再生。観光に一段と力を入れて、利用客に国内各地を訪れてもらい、地域のまちづくりにも貢献したい。3つ目は、技術革新とグローバル化。私たちに欠けているものを身につけ、内向きになりがちな企業体質を変えたい」

 --4月の消費税増税で、IC乗車券では1円刻みで転嫁するが、券売機の切符は10円単位で運賃を改定する

 「首都圏ではIC乗車券の利用率が約9割と高く、IC乗車券を基本とした運賃改定を考える必要があった。結果として(IC乗車券と切符で)『二重運賃』となるが、IC乗車券での1円刻みは税率引き上げ分をより正確に転嫁するためのものだ。今後は利用客への案内をさまざまな手段で丁寧に行っていくことが大事になる」

 --政府が交通インフラ輸出を成長戦略の柱の一つとする中、海外市場開拓をどう進めるか

 「車両や信号などの輸出にとどまらず、運営や保守点検も含めた『パッケージ型』の輸出を目指していく。重視する地域は東南アジアだ。都市部に人口集中が進めば都市鉄道を整備するニーズが高まり、高速鉄道も必要になってくる。人材育成の観点からも、年間500~600人を短期留学や出向などの形で海外に派遣したい」

 --商業施設など非鉄道事業の拡大策は

 「連結売上高の約3分の1を非鉄道事業が占めており着実に育ってきた。ただ、ショッピングセンターの『ルミネ』や『アトレ』にしても、今のビジネスモデルがずっと有効なわけではない。駅立地という最大の強みをもっと生かして、今の時代に合った訴求力のある販売戦略を考えていきたい。また『駅ナカ』の開発も、東京駅などで成功しており、これを他の駅に広げていく」

 --安全面の不祥事が相次ぐJR北海道への支援は

 「昨年11月から当社の技術系社員8人を派遣し、JR北海道の現場の社員とともに、線路の保守や車両の点検のあり方などを徹底的に見直している。(追加の人的・技術的支援は)要請があれば、当社のやるべきことはしていきたい。鉄道の安全は、現場の社員一人一人の力にかかっている。(JR北海道の現場の社員が)そうした気持ちを奮い起こせば、しっかりとした鉄道会社として再生していけると期待している」(森田晶宏)

                   ◇

【プロフィル】冨田哲郎

 とみた・てつろう 東大法卒。1974年日本国有鉄道入社。87年の国鉄の分割・民営化で誕生したJR東日本に入社。取締役、常務、副社長をへて、2012年4月から現職。東京都出身。

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