ニュースカテゴリ:企業
金融
生保・銀行、高リスク運用じわり 国債利回り低下、外債購入や融資拡大
更新
金融機関や機関投資家が外国債券など比較的リスクの高い資産による運用を積極化している。昨年4月の日銀の大規模な金融緩和で国債の利回りが低下したことを受け、生命保険は外債、銀行は貸し出しなどを拡大している。市場関係者は外債や日本株の購入拡大が円安や株高につながると期待している。
22日までに出そろった生命保険主要5社の2014年度の運用計画によると、3社で外国債券が増加するなど、リスク資産を増やす方針を示した。
三井生命保険は14年度に外債を500億円程度、富国生命保険は300億円程度積み増す。まだ計画を公表していない住友生命保険も「外債への投資を当然増やしていく」(佐藤義雄会長)方針だ。
外債への投資が拡大するのは日銀の大規模な金融緩和で日本の長期金利が低水準で推移する一方、米国は金融緩和を縮小。欧州も足元では日本より利回りが高いからだ。
日本生命保険は外債を減らす計画だが、「金利や為替に応じて機動的に外債も調整する」(佐藤和夫財務企画部長)と含みを持たせる。
生保各社は国債中心の運用を変えないものの、業績回復などで自己資本の厚みが増し、リスクをとりやすくなっている。日生は「外国株式、不動産、太陽光発電など成長分野への投資など、新分野への資金配分を増やす」(佐藤財務企画部長)。
一方、国内銀行は国債の保有残高を減らしている。日銀によると、今年2月末の保有残高は約132兆円と、大規模な金融緩和を導入する前の昨年3月末と比べて約35兆円減った。
日銀が金融緩和に伴い大量の国債を買い入れているため、14日の国債市場では約13年ぶりに新発10年国債の取引が終日成立しなかった。国債の利回りは低下しており、長期金利は0.6%程度で安定。銀行が国債の売買で稼ぎにくい状況だ。
全国銀行協会の平野信行会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は「国債保有(の比率)はゆっくりと落としている」と説明する。
銀行が国債保有を減らす一方で増やしているのが、貸し出しや外債などのリスク資産だ。日銀によると、国内銀行の2月末の貸出残高は約447兆円と、前年同月比で約13兆円も増えた。景気回復に伴い、「企業の資金需要は幅広い業種で拡大している」(平野会長)中で今後も貸し出しを増やす方針だ。
これまで銀行は保有株下落に伴う評価損が経営を不安定化するリスクを減らすため持ち合い株の解消を進めてきたが、比較的利回りの高い外債を中心とした外国証券の保有額は約47兆円と、1年前に比べて約4兆円増えた。内外の金利差が広がれば、さらに外国証券の保有額が増える可能性がある。