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外食産業“想定外の粘り腰” 販促奏功、消費増税後も好調維持
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デニーズが期間限定商品として投入したローストビーフ。販売が好調で定番商品化を決めた 外食産業が17年ぶりの消費税率引き上げ後も想定外の粘り腰をみせている。節約意識の高まりで落ち込みが懸念されていたものの、増税から1カ月が経過しても大手が前年並みの売上高を確保するなど好調だ。ただ、消費者が増税による支出増を実感するのは、このゴールデンウイーク明けからとの見方が強く、気が抜けない状態が続いている。
「想定とは大きく異なる結果だ」
ファミリーレストラン、デニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズの担当者は声を弾ませる。同社は4月に入り既存店売上高が前年同月比5、6%程度増で推移。15日に期間限定で投入したローストビーフは1995円という高単価ながら、販売数量が想定の5割増と好調で、定番商品として売り出すことを決めた。
牛丼並盛りを280円から300円に値上げした吉野家も「3月と比べて客数は落ち込んでいない」(広報)という。ロイヤルホールディングス(HD)もレストランのロイヤルホストで単価の高いディナータイムの客数が増加し、4月29日までの売上高が前年同月比8%強のプラスだった。
日本フードサービス協会によると、増税分の価格転嫁もあり客単価は上昇傾向にあるという。担当者は「増税の影響で客数が減少している社もあるが、客単価の上昇で補える範囲」と話しており、多くが前年並みの売上高を確保しているもようだ。
多くの企業で業績改善による賃上げがあったうえ、外食各社が、事前に割引クーポンの配布など積極的な販促を打ったことが奏功した。
ただ、「4月を振り返って増税による家計負担が大きければ、5月以降はさらに節約志向が強まる」(外食大手)との懸念は強い。デニーズの担当者は「メニューを周知し、今後の再来店につなげたい」としている。