SankeiBiz for mobile

物価高に備える「電子マネー」お得な使い方は? 交通&流通、通信事業者も参入

ニュースカテゴリ:企業の情報通信

物価高に備える「電子マネー」お得な使い方は? 交通&流通、通信事業者も参入

更新

 電子マネー市場が盛り上がりを見せている。ここ3年で決済総額は倍増して3兆円を超え、2012年の決済件数はクレジットカードの約3割に上るという。消費税が8%になったことで小銭の流通が増え、さらなる成長を見込む声が強い。交通系、流通系が主流だった電子マネー市場に5月から通信事業者が本格的に参入するなど選択肢も広がる中、消費者としては賢い利用法を見つけたい。

 交通系、流通系のメリット&デメリット

 「生活パターンに合ったことを選ぶのがポイント。貯まったポイントが利用しやすいかも意識すると良いでしょう」。カードを活用した節約に詳しい消費生活アドバイザー、丸山晴美さんが話す。交通系、流通系にそれぞれメリット、デメリットがある。

 首都圏の通勤者には欠かせないsuica(スイカ)、PASMO(パスモ)に代表される交通系カードは、昨年3月に10社が相互利用を開始。1枚あれば全国ほとんどの交通機関が乗り継げるようになった。さらに「増税によって電子マネーで支払う場合と現金で買う切符の値段が変わったことで新たな意味も出てきた」という。

 一方、「クレジットカードと連携したものでないとポイントが付かない。乗車ポイントも付かないケースが多い」ことが交通系のデメリットだ。鉄道やバスなど公共交通機関の利用者の間に行き渡り、頭打ちの感のある交通系に対し、伸びてきたのが楽天Edy(エディ)、WAON(ワオン)、nanaco(ナナコ)に代表される流通系カードだ。

 「発行母体(スーパー、コンビニなど)での買い物利用でポイントが貯まりやすい。提携店舗が限られているのがデメリット」と丸山さん。nanacoは購入時のポイント還元率が1%と他の大手カードの還元率(0.5%)よりも良く、WAONは他業種との連携を積極的に進めている。「自宅や職場の近くにあるなど買い物先が決まってる場合にはお得になる」ので、ライフスタイルに合わせた選択が必要だ。

 飛行機は乗らずに航空会社の提携する店舗でクレジットカードを利用してポイントを貯める「陸(おか)マイラー」の丸山さんにとって、楽天Edyは魅力あるカードだ。「ANA(全日本空輸)のマイレージクラブと提携していたので交換率が良い。マイレージをそのままマイルに替えることができる」。また、電子マネーの先駆けとなったカードなので使える店舗数も交通系や他の流通系よりも多いメリットもある。

 交通系と流通系がしのぎを削る中、新たに参入してきたKDDIの「au WALLET カード」だ。

 「auユーザーなら作るべきカード」

 auショップでの予約受け付けが始まった21日、CMキャラクターのタレント、所ジョージらが登壇し華やかに記念イベントが開かれた。20日午前0時までのウェブ予約状況が20万2299件であることを明らかにし、「5.3秒に1枚のペース」(石川雄三KDDI専務)と好調ぶりをアピールした。

 丸山さんは「auユーザーならば必ず持ったほうがよい」と言い切る。「毎月の通信料でポイントが貯まるので作らないともったいない。利用範囲が広いのも特長のひとつ」。マスターカードのネットワークで国内外3810万店舗で決済可能と圧倒的な店舗数を誇り、海外で利用できる本格的な電子マネーは初めてとなる。「クレジットカードと同様にネット決済ができるほか、ネット専用の電子マネー「ウェブマネー」にも対応し、音楽やゲームを購入でき、スマートフォン、タブレット、パソコンとの相性も良く幅広い決済手段になるだろう」と期待する。

 通信事業者の電子マネーとしては、NTTドコモが2004年からサービスを開始した後払い式のiD(アイディ)があったが、クレジットを嫌う国民性もあり普及しなかった。丸山さんも「(私の)電子マネーの定義はお金をデポジットして使うこと」としている。おサイフケータイにEdy、WAON、nanacoの機能を入れることができるようになったことも普及を妨げる要因になったとみている。

 au WALLETは「マスターカードのマークは付いているが、クレジット機能はないので、使い過ぎる心配がない」と国民性にマッチした利点を指摘。「少額決済が気軽にできて決済スピードも速い。増税で小銭の利用が増えたがその対策にもなる」とプリペイド式の電子マネーやオンラインで口座から引き落とすデビットカード市場の拡大を見込む。

 そして、市場拡大には、ポイントの貯まりやすさとポイントの使いやすさが大切で、さらに分かりやすさが普及のカギという。発行枚数では遅れはとっても還元率だけ見れば大手よりも有利なカードはあるが、「貯めたポイントを次の買い物に使う際は手続きが多く、とくに主婦層は受け入れにくい。一部の“マニアック”な人が持つカードにとどまっている」という。

 消費増税に加えてデフレ脱却が進む中、丸山さんは「物価が上がれば現金の価値は下がっていく。電子マネーやクレジットカード、デビットカードといった支払うだけでポイントが貯まり、そのポイントでまた買い物ができる支払い方を選んで生活防衛に心掛けてほしい」と消費者に呼び掛けた。

ランキング