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「ユニクロ」人材確保の新モデルなるか ファストリが地域正社員の選考会
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ファストリが開いた地域正社員選考会=28日、東京都千代田区 カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは28日、転勤を伴わず勤務地の限定や短時間勤務などを認める限定正社員「地域正社員」の選考会を東京都千代田区で開催した。非正規社員の限定正社員への切り替えや新規採用によって、2~3年かけ地域正社員を1万6000人にする計画だ。
ファストリの柳井正会長兼社長は今年4月、パートやアルバイトなど非正規社員1万6000人を正社員化する方針を発表した。しかし全対象者が正社員として働けないと判断、地域正社員制度を新たに設けた。
28日の選考会には事前応募の既卒者約60人が参加。人事担当者から制度の概要として(1)給与が月額17万7500円から(2)福利厚生はほぼ正社員と同じ(3)勤務体系は1日6時間、週4日勤務も可能-などの説明を受けた。その後面接が行われ、優秀者には後日インターネットを使った試験を実施、内々定がでるという。
ファストリはこれまで、「全社員がグローバル人材でなくてはならない」ことや店長を中心とした経営を強調してきた。それだけに、働き方の自由度を高める地域正社員の導入など人事や経営戦略における変化は注目を集める。
正社員はグローバル対応するという価値観だけでなく、「日常生活で成長する人生も認める」(柳井氏)からだ。
背景にあるのは人手不足。SPA(製造小売り)を展開するファストリにとって、販売員の高度なサービス提供が不可欠。そのためにも、ネットで労働環境が劣悪なブラック企業とされたイメージを払拭(ふっしょく)し、優秀な人材を確保する必要がある。
しかし、こうした取り組みが即座に人手不足を解消できるかは疑問だ。労働問題に詳しい日本総合研究所の山田久チーフエコノミストは「デフレ下のローコストオペレーションで成長してきた企業は、こうした人材確保策をとらなくてはデフレが終わる中で生き残れない」と指摘する。
ただ、地域正社員という働き方の活用で収益向上を明確にできれば「人手不足に対応するビジネスモデルになり得る」と期待も寄せる。