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レクサスの悩み「トヨタの名前は邪魔なんです」 レクサスブランドマネジメント部・河辺徹也氏に聞く
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レクサスブランドマネジメント部の河辺徹也氏
レクサスのブランド戦略を進めるには、超えなくてはならないハードルも少なくありません。
クルマメーカーなのに、「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO (インターセクト バイ レクサス 東京)」は服飾小物や日用小物の販売やダイニング事業など、クルマ以外のことに取り組んでいる。「それとクルマってどう関係あるの?」と聞かれたときに関連性を説明する文脈づくりがしっかりできていないといけない。「“かっこいい”ならなんでもいいじゃん」、では通らない。きちんと有機性がないと。
トヨタ自動車のレクサスではない、とわかってもらうことも課題です。トヨタの名前は邪魔なんです。レクサスはトヨタの高級車ブランドですが、2012年に豊田章男社長直轄の社内バーチャルカンパニーとしてこの組織ができたとき、レクサスをやっている人は全員レクサスのことしか考えないことになりました。つまりクラウンのエンジニアはレクサスをつくらない。もちろん金銭的には親会社に助けられていますが、子どもとしては独立してやっていきたい。レクサスとしてのメッセージはこれだ、ひとり立ちするぞ、という気概でやっています。
悩みは、そうしたレクサスの意気込みをトヨタ社内でなかなかわかってくれないことですかね。だってレクサスの生産台数は、世界で約1000万台のクルマをつくっている会社のなかでたった50万台ですよ。それをすばらしいブランドに育てていくという。章男社長が創業家出身のトップじゃなければ、なかなかできないことです。
その熱い気持ちにどう応えるかが僕らの一番の課題。豊田章男は夢を語る人なので、僕らが彼の思いをくみ取り、ひとつひとつ実現してこれでいいかなと思ったときには、もう次の夢を見ている。逃げ水現象のように僕らは常に追っかけていかなくてはならない。とても追いつきませんがね。
でも、クルマはすべての人にとって最も身近にあって、夢をかなえてくれるツールじゃないですか。小さな空間だけど、安心して音楽も映像も家族も持ち込める。幸せを運んでくれるきらきら輝く宝石箱のようなものだと思うんです。
レクサスブランドも一昨年、スポーツカーのGSシリーズが出て、秋口にはこの間北京モーターショーで発表した小さなSUV(スポーツ用多目的車)も発売になる。ブランドPRはまず日本から始めて、次に全体の6割を売る米国、さらに中東、そして世界へと広げていきたいですね。(了)
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