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「時短調理」で働く女性後押し 流通・食品各社、中食サービス強化

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「時短調理」で働く女性後押し 流通・食品各社、中食サービス強化

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 女性の就労拡大をにらみ、コンビニエンスストアなどの小売り各社や食品メーカーが調理の時短化への対応を急いでいる。安倍晋三政権の新成長戦略によって「女性の活躍」が広がれば、共働き世帯では家事に割く時間が少なくなり、食卓に手早く出せる料理のニーズがさらに高まると判断。新たなビジネスチャンスととらえ、コンビニは店内調理品を拡充し、食品メーカーは調味料の品ぞろえ強化に力を入れ、顧客の囲い込みを狙っている。

 “罪悪感”を払拭

 「コンビニの店内で調理したおかずと、カット野菜を皿に盛りつける一手間があれば、調理の時短化で女性が感じる“罪悪感”も払拭できる」

 ファミリーマートの玉巻裕章常務は16日、店内調理品「できたてファミマキッチン」のラインアップ拡充を発表し、女性客の拡大に意欲をみせた。具体的には砂肝、いかの空揚げ、かきフライなどの総菜、つまみを常温パックにした商品を7月8日から全国1万700店のレジ横のカウンターで順次販売する。

 ファミマの店内調理品はこれまで、アメリカンドッグや空揚げなど主に男性客向けでスナック感覚の強い商品が多かった。今回試みるのは、調理済み食品を自宅で食べる「中食(なかしょく)」として展開し、女性を引き付ける戦略だ。価格も200円前後と食品スーパーを意識して設定。時短ニーズをとらえるため今年度は店舗回りの投資150億円のうち約30億円をカウンター関連に充て、保温機などを刷新する。

 コンビニでは、ローソンも中食向け製品群の拡充などで総菜の強化を図っている。3日には大ぶりの「げんこつコロッケ」を投入。「店内調理品の利益率は50%程度にのぼり、他の商品に比べて極めて高い」(ローソンの玉塚元一社長)といい、フランチャイズチェーン加盟店のオーナーの収益アップにもつながることから、新規メニューの開発を急いでいる。

 スーパーでは、総菜やサラダなどを「少量・適量」で販売するイオンの量り売りが好調だ。2011年にスタートさせ、全国200店舗で展開。量り売りは総菜の売り上げの約1割を占めるまでに成長しており、導入店舗をさらに拡大する方針という。

 「男性向けも商機」

 食品メーカーも家庭の「時短調理」を後押しする。料理用調味料の「クックドゥ」を展開する味の素は昨年、中華の重点商品を青椒肉絲から回鍋肉に切り替えた。

 青椒肉絲の調理では牛肉、ピーマン、タケノコを同じサイズで細切りするが「回鍋肉はキャベツや肉を大まかに切るだけで済み、下ごしらえの時間を短縮できる」(家庭用事業部の中島広数専任部長)。

 その読みが的中した上、12年夏に発売した和食用「クックドゥ きょうの大皿」シリーズのヒットもあって、13年度は前年度比2桁増の伸びをみせた。

 一方、キッコーマンや永谷園はスーパーの協力を得て、豆腐などの食材のそばに和食の調味料を陳列し、浸透を図るといった取り組みを進めてきた。キッコーマンは「認知度をさらに上げ、事業規模を20年度には13年度比で2倍の100億円に育てる」(中島みどりプロダクトマネジャー)と意気込む。

 日本総研の池本美香主任研究員は「日本人はレベルが高い食事を求める傾向があり、女性の社会進出が加速する中で、食卓の質を落とさないようにする取り組みはさらに拡大する」と予測。「今後は女性だけでなく、男性が食事を用意することに対応した商品やサービスも求められる」と指摘している。(平尾孝)

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