--2014年度から3カ年の新中期経営計画で部門連携による7つの成長分野を掲げた
「国づくりに貢献するインフラは部門連携の場面が多い。ブラジルの国営石油大手のペトロブラスや仏電力大手GDFスエズなど戦略的なパートナーと徹底した顧客目線で取り組むことで、ビジネスの幅が広がってきた」
--具体的には
「ペトロブラスであれば、深海油田向けの関連事業は膨大で、浮体式石油・ガス生産貯蔵積み出し設備の用船事業だけではない。遠隔操作による監視システムや機械・部品交換サービスへと発展している。提携するメキシコ国営石油ペメックスは、傘下にガスや探査・生産部門もあり、ガスを使った事業への広がりを期待している」
--アジアや新興国で卸発電事業を活発化させている
「これからは環境負荷が低い『超々臨界圧』と呼ばれる石炭火力の最先端技術が目玉になる。中国やモロッコに続き、東芝とIHI連合の先端技術を使った石炭火力の運営をマレーシアで受注した。インフラ輸出は資金調達からサービス、パートナー戦略までの総合力が求められ、プロジェクトを統括できる人材育成が鍵を握る」
--電力事業の次の一手は
「建設段階の発電所も含め、持ち分発電量を現在の850万キロワットから2016年度に1000万~1200万キロワットに高めたい。豪州ではGDFスエズと組み、電力小売りに参画した。ITでエネルギー効率を高める技術などのノウハウを生かし、次世代電力ビジネスにつなげたい」
--ブラジルや中南米での展開は
「資源大手ヴァーレが手がけていた貨物鉄道に参画した。シンガポールの港湾運営子会社のノウハウも活用し、不効率な港湾物流など『ブラジルコスト』の解消に貢献したい。チリでは水事業などに期待している」
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【プロフィル】安部慎太郎
あんべ・しんたろう 早大理工卒。1977年4月三井物産入社。米国三井物産ヒューストン支店、電力事業部長、金融市場副本部長、執行役員プロジェクト本部長、常務、専務を経て、2014年4月から現職。東京都出身。