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関電、火力フル稼働で一部電線に負担集中 送電ルート変更で故障回避
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「原発ゼロの夏」を迎えて電力供給を火力発電に頼る中、関西電力管内で、送電線の一部に電気が大量に流れて過度な負担を強いていることが11日分かった。兵庫、和歌山両県に集中している火力発電所からの送電が増えたことが原因。放置しておくと、送電線が損傷して、停電が起きる恐れもあるため、関電は送電ルートを細かく変更して、負担を分散する対策に乗り出している。
昨年9月に大飯原発(福井県)が定期検査で停止して以降、関電は、火力発電をフル稼働して電気を賄う状態が続いている。
とりわけ、原発ゼロの夏を初めて迎えた今夏は、姫路第2発電所新5号機(48・65万キロワット)の試運転を約7カ月前倒しするなどして火力の供給力を増強。原発1基程度に相当する155万キロワット分を昨年夏(8月時点)より増やした。
ただ火力発電所は、姫路市など兵庫県南西と御坊、海南市など和歌山県北・中部を中心に立地しており、そこから主に京阪神への送電が集中。送電線にかかる負担も大きくなっている。
送電線は、無制限に電気を流すことができるわけではなく、一定の許容範囲がある。それを超えて、電気を流し続けると、熱を帯びて電線が劣化しやすくなったり、溶けたりする危険性が高まり、停電や火災事故につながりかねない。姫路、御坊市方面にある複数の送電線で、許容範囲を超える寸前に至る事態が「連日のように発生している」(関電)という。
送電線自体の許容量を増やすことは、工事に時間や莫大(ばくだい)な費用がかかるため困難。そこで関電は、電気を流す余裕のある送電ルートを見つけて、電流を分散させる「系統切り替え」を連日行って、送電線への負担を極力小さくする対策をとっている。
送電ルートを決める関電・基幹系統給電所の辻和典所長代理は「火力発電所のある地域周辺で送電線に電流が集中したり、電線の電圧が過度に上がったりするいびつな事態が起きている。原発の稼働時期が見えない中、火力発電を抑えることもできず、綱渡りの状態だが最大限カバーしている」と話す。