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パナソニック「テクニクス」4年ぶり復活 待望論多く、音楽ファンの需要見込む
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パナソニックが4年ぶりに復活させるオーディオの高級ブランド「テクニクス」の新製品 ベルリンで3日開幕した欧州最大の国際家電見本市「IFA2014」で、パナソニックは高級オーディオ機器の高級ブランド、「Technics(テクニクス)」を4年ぶりに復活させると発表した。
CDを上回る超高音質が売り物で、富裕層や音質にこだわる音楽ファンの需要が見込めると判断した。
報道関係者向けのイベントで明らかにしたもので、CDを上回る超高音質のハイレゾリューション音源に対応した4万ユーロ(約550万円)と4000ユーロ(約55万円)の2モデルを、今年12月から欧州で販売を始める。日本でも今年度中に販売する考えだ。
2018年度でテクニクス製品の売上高100億円を目標とする。オーディオ事業全体でも18年度に売上高を13年度の1.5倍に引き上げ、黒字転換を目指す。
テクニクスを冠した製品は1965年に誕生。2010年に生産を終了するまで、累計1兆円を販売した。
オーディオが音質から利便性へ、コンポから携帯音楽プレーヤーへそれぞれシフトしたほか、パナソニックブランドへの統一を進めたため、テクニクスブランドは終了した。
しかし、「欧州でいまだに認知度が高く、待望論も多かった」(パナソニックの小川理子理事)ことから昨夏に50人体制の復活プロジェクトが始動。宅内で場所を選ばず聴ける無線ネットワークにも対応し、富裕層や愛好家だけでなく、音楽ファンからも一定の需要を見込めると判断した。
新製品はノイズや音のひずみを最小限に抑えるため、ハイレゾ音源を原音に忠実にデジタル化する技術を駆使。アナログ音源を用い高音質にこだわった。ジャズピアニストでもある小川理事は「技術的な数値に変換不可能なレベルの音質。あたかも目の前に(楽器や歌手などの)音源があるかのような感性まで踏み込んだ」と自信をみせる。
パナソニックの楠見雄規役員は「原音がもたらす感動をテクニクスで消費者に伝える」と強調した。(ベルリン 南昇平)