ニュースカテゴリ:企業
金融
日銀、不正融資問題で韓国・国民銀の調査検討 信用リスク対策不十分
更新
韓国最大手銀行の国民銀行(ソウル市)の東京、大阪両支店による不正融資問題で、日銀が両支店への立ち入り調査(日銀考査)を検討していることが9日、分かった。担保水増しなどによる過剰融資が発覚したことで、日銀は国民銀の信用リスク対策が不十分だったとみている。
日銀考査は、日銀と当座預金取引をする金融機関が対象で、行政権限に基づく金融庁検査とは異なる。法令順守などに重点を置く金融庁検査に対し、経営の健全性などをチェックし問題点が見つかれば改善を求める。
関係者によると、国内の主要金融機関に対する日銀考査はほぼ2年に1度あるが、外銀への定期考査はなく、必要性が認められれば考査に入るという。
国民銀は、過剰融資で経営の健全性が損なわれている。一部顧客は預金を引き揚げ始めたとみられ、日銀は国民銀への考査を本格検討しているもようだ。
在日韓国人の実態に詳しい関係者からは「邦銀からお金を借りられない在日韓国人を救うためのやむにやまれぬ不正だった」と同情の声も上がる。
「日本ではコンプライアンス(法令順守)の徹底が求められるが、韓国では儒教文化が根強く上司の不正を告発しにくい面もある」。こう解説するのは、国内外の金融事情に詳しい西村あさひ法律事務所の松尾直彦弁護士だ。
これに対し、大手邦銀の幹部は「同情すべき点はあるが、歴代の支店長や役職員ぐるみの不正であれば、韓国にある本店のチェック機能が働いていなかったことになる」と批判する。
また国民銀の両支店幹部らは、在日韓国人や韓国系企業から謝礼金(リベート)を受け取っていた。
金融庁は8月末、国民銀の東京、大阪両支店に対し、4カ月間の一部業務停止命令を出し、同行の李建鎬(イ・ゴンホ)銀行長は今月4日に辞任を表明した。
年月 銀行名 命令内容 処分理由
2004年2月 スタンダード・チャータード銀行東京支店 業務停止 本人確認など手続き不備
5月 ドイチェ信託銀行 業務停止 信託財産の管理不備
12月 ブラジル銀行在日支店 業務停止 本人確認など手続き不備
05年4月 クレディ・スイス信託銀行 業務停止 信託財産の管理不備
06年1月 ステート・ストリート信託銀行 業務停止 信託財産の管理不備
3月 韓国外換銀行在日支店 業務停止 疑わしい取引の届け出義務違反
4月 JPモルガン信託銀行 業務停止 不動産受託審査体制の不備
10年1月 韓国外換銀行在日支店 業務停止 疑わしい取引の届け出義務履行態勢の未整備
12年10月 ソシエテジェネラル信託銀行 業務停止 年金信託業務の管理不備など
14年8月 国民銀行在日支店 業務停止 不適切な融資、リベート受領など
※銀行名は処分当時の名称