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【ビジネスアイコラム】日銀・GPIFの連携ウルトラC

ニュースカテゴリ:企業の金融

【ビジネスアイコラム】日銀・GPIFの連携ウルトラC

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 10月31日、日本銀行がさらなる量的緩和に踏み切った。そして、同日GPIFが資産の運用比率変更を発表した。国内債を従来の60%から35%、日本株は12%から25%、外国債券は11%から15%、外国株式も12%から25%と変更し、乖離(かいり)許容幅を大きく広げる変更をした。この2つの発表により円安が急激に進み、株式も暴騰した。

 2つの政策連携は、それぞれの欠点を補うものになる。GPIF改革で国債比率を減らせば、当然、国債が売られることを意味し、国債金利が上昇(国債価格が下落)することになる。これは望ましい話ではない。しかし、売りだされる部分を日本銀行が買い取れば国債金利は上がらない。また、乖離幅を拡大したことで、市場の状況を見ながらの売却対応もできるわけである。

 結果的に株式市場に流れる資金量が増加し、それが株価を後支えすることになる。また、日本銀行の量的緩和拡大は、日本円の希薄化(通貨量増加により価値が下がる)ことを意味し、それが国際間の通貨バランスに作用し円安に動くことになる。企業の海外生産などが増えたことで、日本経済が円安の恩恵を受けにくくなったとはいえ、10%為替が円安に動けば0.3~0.5%程度GDPを押し上げる効果があるとされ、円安による経済の回復も望めるという計算になる。

 円安は輸出企業に有利であり、輸入企業に不利になる。また、海外資産を多数保有している企業や海外利益の大きな企業では、為替効果により為替差益も見込める。日本企業の決算は円で行われており、資産評価をする際に円での評価が増加するからである。逆に日本に資産を保有していたり日本で稼ぐ海外企業などにはマイナスになる。

 これは短期的側面での話であり、円安が継続することで、二次的な波及効果も期待できる。海外産品の価格が上がれば、国内生産品との価格差が減少し、国内製造に有利な環境が生まれるからである。

 すでに一部の外食産業などで国産材料への回帰が報じられている。また、自動車や白物家電も国内生産の拡大が報じられている。生鮮品や大型産品は輸送コストが高い為、消費地に近い市場での生産が有利であるからである。

 ただし、円安にはマイナス面も大きい。輸入産品の価格上昇によるコストアップインフレリスクである。輸入に頼る原油や原材料の価格が上昇するからである。また、輸入割合の高い流通業にも大きな負担になる。

 しかし、現在原油価格を中心とした資源価格が大幅に下落しており、円安による変動幅を吸収できる環境にあるため、影響は軽微であるだろう。

 今回の2つの連動する政策決定はタイミングを見据えた大胆なウルトラC的手法であるといえる。しかし、債務を通貨増刷で返済するという「財政ファイナンス」的側面があり、年金運用リスクが高まるため一部で批判が出るかもしれないが、経済的にはプラスの側面が大きいと考えられる。(経済評論家 渡辺哲也)

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