SankeiBiz for mobile

【インタビュー】三菱商事副社長・衣川潤さん(63)

ニュースカテゴリ:企業のサービス

【インタビュー】三菱商事副社長・衣川潤さん(63)

更新

三菱商事衣川潤副社長  ■豪州石炭事業、逆風下でも高い競争力

 --価格下落の逆風下で10月にオーストラリアの原料炭の炭鉱を開山したのはなぜか

 「資源事業は10年、20年の計だ。市況の下落や景気で工事を中断、再開したりすれば膨大な時間とコストがかかる。英豪BHPビリトンと折半出資するBMAが保有する豪州のキャバルリッチ炭鉱には他の事業のノウハウを結集し、最新機械も導入しており競争力は高い」

 --豪州の原料炭事業は休止が相次いでいる

 「価格下落で豪州の事業者のうち過半数は赤字と聞く。コストの高い炭鉱の淘汰(とうた)は続くだろう。BMAは8炭鉱を持つ世界最大の原料炭輸出事業で、資産の入れ替えで競争力をつけてきた。2炭鉱を開山する一方、競争力の低い炭鉱は休止し人員削減でコストを抑えるといった構造改革を進めた。13年の持ち分生産量は約5660万トンと過去最高で、今後も増産する」

 --石炭価格の反転の見通しと中期の需給見通しは

 「世界の粗鋼生産は伸び続けている。現在の16億トン超が20年には2億トン増の18億トン超になるだろう」

 --金属資源の資産配分について三菱商事の将来像は

 「原料炭と銅が2本柱だ。中期経営計画で持ち分生産量を20年に倍増させる計画だが、石炭は前倒しで達成できる。銅は11年に出資したチリのアングロ・アメリカン・スールの未開発鉱区やペルー鉱山開発によって23~25年に現在の倍の50万トンを目指す。凍結中の豪州鉄鉱石の大型案件も満を持しており、必ず再開の日が来る」

 --銅の需給についての見通しは

 「滅菌効果がある銅は病院の内装向けなど新たな用途開発も進み、必ず逼迫(ひっぱく)する。原料炭と鉄鉱石は新興国で国づくりの初期に、銅は工業化が進んだ状況で必要な資源だから、両方でバランスがとれリスクを回避できる。チリの鉱山への出資は将来の成長の中で取り返せる」

                  ◇

【プロフィル】衣川潤

 きぬかわ・じゅん 慶大商卒、1975年三菱商事入社。石炭部、カナダ三菱商事勤務を経て2005年執行役員鉄鋼原料本部長、08年常務。13年4月から現職。金属グループ最高経営責任者(CEO)を務める。東京都出身。

ランキング