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【新春に語る】経済同友会・長谷川閑史代表幹事 痛み伴う改革、今こそ切り込め

ニュースカテゴリ:企業の経営

【新春に語る】経済同友会・長谷川閑史代表幹事 痛み伴う改革、今こそ切り込め

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 --アベノミクスがやりのこしたことは

 「どんなに優れた政権でも、全てを満たせるわけではない。2014年は消費税引き上げの反動が意外に大きいという事実もあるが、全体としては正しい方向に向かっている。ただ岩盤規制への切り込みについては物足りなさを感じる。特に雇用・労働の分野は、過去のいろいろな経緯(長谷川氏が働き方の改革などを提案したこと)もあって改革が前進する姿を見たかった」

 --働き方の改革は欧米流のホワイトカラーエグゼンプション(WE)と呼ばれ、労組などの反対も強い

 「(WEは)私の口からはひと言も発したことはないのだが、WEの二番せんじと受け取られてしまったのがたいへん残念だ。しかし(ホワイトカラーの生産性が低いとされる)日本の職場の現状を考えると、生産性の低い仕事から生産性の高い仕事への移動を後押しすべきだという現実は少しも変わっていない。痛みを伴う改革でも、今、手を付けていかないといけない。安倍政権は、農業改革など歴代の政権ができなかったところまで切り込んでいる点は評価すべきだ」

 --働き方の改革は進むか

 「(厚生労働相の諮問機関)労政審議会できちんと審議して詳細を詰めてもらっているはずだ。最終段階に近いところまできており、まもなく答申が出ると思う。過労死が増えるという批判があるが、働き方を変えるということと、過労死の問題は全く別次元だ。ブラック企業が悪用するのを防ぐには民間企業が導入している通報制度などを活用する手もある。過労死を招くような過重労働を強いる企業は、摘発すべきだ」

 ◆賃上げは世の中に安心感

 --経団連、日商との連携も進めている

 「経済3団体の長の間では、基本的に協力すべきは協力していこうということで一致している。経団連の榊原定征会長も、日商の三村明夫会頭もバランス感覚に優れていて、3人そろって気楽な話もしている。それぞれの団体の性格や位置付けは違うが、経団連にリードしてもらう必要があるときは、榊原さんにリードしていただくことに何のわだかまりもない。連携はうまくいくのではないか」

 --経済の好循環は実現するか

 「大企業だけでなく、中小企業の中でも競争力を持っている会社は業績も回復するだろうし、実質賃金のギャップは少なくなり、消費は改善していくのではないか。賃上げは、世の中に安心感を与えることによって、安定成長に結びつけることができるという意味で、今一番必要だ」

 --大企業の賃上げは中小企業に影響を与えるか

 「景気が良くなるということは、優秀で能力がある人材は賃金の高い方へ移っていくことになる。外食産業は、待遇を非正規から正社員に変えるなどの対応をしなければ、人手不足から店を閉めなければならなくなっている。中小の製造業でも同じ構図がある。人手不足になれば、技術を持っていればいるほど他に移る可能性が出てくる。人手不足は高度成長期以来、経験したことがない。これまでなかったから、今もないということは通用しない。経営者は肝に銘じるべきだ。サービス産業でも最低賃金を上げるなど全体の底上げを図るべきだ」

 --15年の日本経済はどうなるか

 「街の雰囲気はぐっとよくなると思う。消費税の再引き上げが延期されたため、個人消費の回復が期待できるし実質賃金のギャップも解消されるので家計は気分的にも14年と違ってくる。企業も業績が好調なところは継続するだろうし、業績が好転する企業も増えてくるかもしれない。そうなれば国の税収も増える」

 ◆経営者の原点しっかり

 --4月に代表幹事の任期が終わる。経営者に伝えたいことは

 「経営は、リスクを取らなければリターンもない。デフレの時代は、内部留保に励むことが推奨されるという変な理屈がまかり通ったが、やはり経営者たるものは、株主の期待に応えるためにリスクを取って投資をし、リターンをもたらすよう努めなければならない。『経営者の原点をしっかりやれ』。その言葉に尽きる」

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【ひとこと】長谷川氏の信条は「物事で成功するかどうかは7割は努力、2割は運、1割は才能」。経験を積めば、困難な問題でも解決できる。

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【プロフィル】長谷川閑史

 はせがわ・やすちか 早大政経卒。1970年武田薬品工業に入り、経営企画部長などを経て2003年社長。経済同友会は副代表幹事を経て11年に現職。68歳。山口県出身。

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