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【新春に語る】日商・三村明夫会頭 賃金・投資増額、好循環動き出す

ニュースカテゴリ:企業の経営

【新春に語る】日商・三村明夫会頭 賃金・投資増額、好循環動き出す

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 --世界経済や日本経済の見通しは

 「良い面に着目すれば、原油の価格が下落傾向にあること。日本経済に好条件になる。世界経済も、国際通貨基金(IMF)の実質国内総生産(GDP)増加率の予想を見ると、今年は米国が3%程度、欧州が1%程度、中国は減速するが、東南アジアはそれなりに伸びそうだ。これまで新興国が世界経済を引っ張ってきたが、今年は米国が牽引(けんいん)するだろうから先進国で2%、新興国で5%とバランスの取れた成長が期待できる。世界経済はより安定するだろう。一方、日本経済にとってエネルギー価格の安定は好条件になる。確かに円安ドル高の今の水準は行き過ぎの面は否めない。しかし、かつての超円高時よりも日本経済にとっては安定的に働く。賃上げも2014年と同程度は期待できるだろう。大企業の支払い余力は相当出てきている。大企業の収益見通しは史上最高になるかもしれない」

 --どの点に着目すればいいのか

 「注視しているのは設備投資だ。企業の支払い余力が増えているうえ、省エネに伴うエネルギーコストの削減、円安ドル高の定着などを総合的に考えると、国内に立地する設備投資は14年より増えてくるのではないか。円安は国内立地が有利になる。企業が、1ドル=110~120円が定着すると予想すると、これを活用して日本をベースにしようという動きは必ず出てくる」

 ◆東京五輪に向け結集

 --経済の好循環は実現するのか

 「アベノミクスの成果として、需給ギャップが大幅に改善したことが大きい。人件費も上がって労働力不足になると、設備の稼働率は上がらざるを得ない。そうなれば、通常、企業は設備投資に向かう。賃金増から設備投資増へ、これが経済の好循環だと思う。14年は経済の好循環のきっかけは与えられたが、15年は好循環が動き出す年ではないか。そうすると、日本経済の成長率は2%半ば程度は期待できるかもしれない」

 --東京五輪が開催される20年が、日本経済再生に向けたひとつのターゲットになる

 「20年に向かって、いろんなことを成し遂げようという動きが、さまざまなところで出てくるのは間違いない。東京五輪は5年後で、あっという間にやってくる。今年から具体的な動きに取りかからないと間に合わない。与党は昨年末の衆院選に大勝し、安倍政権は4年間の切符を手に入れたわけで、今年は20年に向けた初年度ととらえることができる。日本全体のエネルギーを結集すれば、モメンタム(勢い)が強まる」

 --その力を何に利用すべきか

 「デフレからの脱却は出口に近づいているが、デフレマインドからの脱却はまだだ。デフレマインドとは、何もしないでお金を持っておくほうが価値が上がる、リスクを取らない、などの心理のこと。日本経済は円高、需給ギャップ、デフレという3つの均衡状態から抜け出そうとしているわけで、企業は成長投資に回すとか、家計もためるばかりでなくリスク資産に回すというマインドになるかどうかだ。14年はデフレからの脱却が手の内に入った。15年はデフレマインドからの脱却ができるかどうかが問われるだろう。デフレマインドの切り替えはすぐにはできないが、その方向により進むかどうかが大事だ」

 ◆社会保障は応能負担必要

 --そのためには何が必要か

 「規制改革が重要で、なかでも社会保障の重点化・効率化に注目している。社会保障は日本の誇るべき制度だが、あまりにも高齢者に偏っている。救ってあげる必要のない裕福な高齢者も含めて対象になっているのはおかしい。これから導入されるマイナンバー制度などを活用し、金持ちの高齢者に対しては責任も増やすべきだろう。いわゆる応能負担だ。消費税の税率を引き上げるだけでは駄目で、社会保障の重点化・効率化を合わせてやらなければ、日本の財政はうまくいかない」

 --痛みを伴う改革は難しい

 「環境変化とともに合理性がなくなった規制も温存されているのは問題だが、難しいのは、それに守られている人たちがいることだ。農業、医療、労働などの分野で規制改革をやり遂げるためには政治の決断が必要だろう」

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【ひとこと】経済3団体は、政権への政策提言や東京五輪の支援などで連携の動きを強める。その原動力に、三村明夫会頭の行動力は欠かせない。

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【プロフィル】三村明夫

 みむら・あきお 東大経卒。1963年富士製鉄(現新日鉄住金)入社。新日本製鉄(同)社長、会長を経て2012年から新日鉄住金相談役。日本商工会議所は13年11月から現職。74歳。群馬県出身。

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