--2016年度までの中期経営計画を昨秋修正した
「繊維や樹脂など素材系事業は(原料など)『川上』に固執し、収益が低迷している。圧倒的な市場シェアや価格競争力がないと、中国や中東など生産条件の違う企業と(原料などの)汎用(はんよう)品ビジネスでは勝負ができない。事業構造を変え、加工やサービスなどまでを手掛け、付加価値をつけられる事業以外は生産能力を削り、将来性のある事業に投資をしていく」
--15年度の課題は
「16年度に向けて構造改革を進める。例えば(寝装品のクッションなどに使う)ポリエステル短繊維の生産は17年度末をめどに徳山事業所(山口県)を閉鎖して松山事業所(愛媛県)とタイ子会社に移管するが、顧客への生産責任を果たしつつ着々と実行する。業績の足を引っ張る事業をなくし、16年度に営業利益500億円、株主資本利益率(ROE)8%を目指す」
--事業の融合、複合化を成長の鍵に掲げている
「例えば(先端素材の)炭素繊維を使った自動車開発は、炭素繊維と樹脂の技術を複合化したものだ。(腐食や環境に影響する懸念がある)塩素やナトリウムを含まない産業用プラスチック樹脂の事業化では、ガラス繊維などとの組み合わせで付加価値を高められる。最終的な製品をイメージし、最適な素材の組み合わせや混ぜ方を考えることが大事だ。そのために商品開発を担う大阪研究センターを(17年度までに)閉鎖し、繊維事業の研究・開発を松山事業所に集約する」
--16年度までに1000億円を戦略投資に充てる
「15、16年度は成長への種まきをする時期だ。炭素繊維複合材料や電池部材、先端医療材料などのプロジェクトに投資していく。自社の研究・開発では時間がかかる部分はM&A(企業の合併・買収)や提携も考える」
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【プロフィル】鈴木純
すずき・じゅん 東大院修了。1983年帝人入社。帝人ファーマ医薬医療企画部長、帝人グループ駐欧州総代表、執行役員、常務執行役員などを経て2014年4月から現職。東京都出身。