なぜ「スシロー」は社長交代に踏み切ったのか プロ経営者の手腕に注目
更新スシローによると、加藤氏は「個人的な理由で退社した」という。だが、理由がどうであれ、スシローにとって大打撃となったのは事実。今後も成長を続けていくには「現場たたき上げの豊崎社長だけではなく、新たな『プロ経営者』が必要」(業界関係者)として、水留氏に白羽の矢が立ったというわけだ。
回転ずし業界では、少子高齢化に加え、出店競争の激化や原材料価格の高騰もあり、各社の経営環境は厳しくなる一方だ。このため各社は、従来の低価格路線だけではなく、多様なサービスで消費者を引きつけようと懸命だ。
くらコーポレーションの「無添くら寿司」では、天丼や豚丼のほかラーメン、ケーキなど多彩なサイドメニューを展開。一方、元気寿司の「魚べい」は、握りたてのすしをすぐに客の元に運ぶ直線型の「高速レーン」を導入している。
スシローも、近畿大が人工孵化(ふか)させた稚魚を育てたクロマグロを使ったすしを大手外食として初めて採用。回転レーンがなく「皿が回らない」すし店を東京で開店するなど特色づくりが進んでいる。
競争激化と経営環境が激変するなか、水留氏が海外展開も含めどんな戦略を打ち出すのか。プロ経営者の実力が試される局面だ。
