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食品メーカー、2~4月に相次ぎ値上げ 急激な円安「自助努力に限界」

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食品メーカー、2~4月に相次ぎ値上げ 急激な円安「自助努力に限界」

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 2月から4月にかけて、食品メーカーの値上げが相次ぐ。昨秋以降の急激な円安で輸入原材料などの仕入れ負担が増し、企業努力で吸収できなくなっているためだ。値上げの対象は冷凍食品や乳製品、ケチャップなど幅広く、家計に響きそうだ。

 1日にはニチレイフーズ、テーブルマークなど冷凍食品大手が出荷価格を一斉に引き上げた。円安だけでなく、需要増加に伴う原材料価格の上昇もあって「自助努力での(コスト)吸収は限界を超えた」(ニチレイフーズ)という。16日にはハウス食品が、家庭用カレー商品の希望小売価格を引き上げた。

 3月にはアイスクリームや魚肉練り製品、オリーブオイル、紅茶のティーバッグが値上げされる。生乳価格が上昇した影響で牛乳やヨーグルトなど乳製品の値上げも相次ぐほか、4月にはカゴメとキッコーマンがケチャップの価格を25年ぶりに引き上げる。

 昨年12月の日銀短観によると、食品メーカーが想定する2014年度の円相場の為替レートは1ドル=105円01銭。だが、今月11日に1ドル=120円台を一時付けるなど、実際には日銀による大規模な金融緩和などを背景に想定を超える円安水準で推移している。

 さらに「消費税増税後に落ち込んだ食品需要が10~12月ごろに持ち直してきたことも、値上げの決断を後押ししている」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)という。

 13日にはエスビー食品がカレー、シチューなど家庭用の即席製品を5月1日から約8%値上げすると発表。「食品メーカーは基本的に横並び意識が強い」(大手証券エコノミスト)ため、今後も値上げの動きが続く可能性がある。

 ■2~4月に予定されている主な食品の値上げ

 ◆冷凍食品

 ニチレイフーズ、テーブルマーク、味の素冷凍食品 家庭用を3~10%

 ◆コーヒー(外食)

 スターバックスコーヒージャパン デザート飲料「フラペチーノ」を20円

 ◆カレールー

 ハウス食品 8%

 ◆アイスクリーム

 ロッテアイス、明治、森永乳業、江崎グリコ 8.3~10.5%

 ◆紅茶

 三井農林 「日東紅茶」ティーバッグを10~80円

 ◆ウイスキー

 サントリー酒類 平均約2割

 ◆牛乳、ヨーグルト

 明治、森永乳業、雪印メグミルク 牛乳2~5%、ヨーグルト2~6%

 ◆ケチャップ

 カゴメ、キッコーマン 4~13%

 ※企業が複数の品目は最大手の値上げ幅

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