【浜松物語(1)】「敵はVW、世界で競争。本社浜松のハンディなし」~鈴木修スズキ会長兼社長
更新《クルマは電気自動車、水素自動車、自動運転車などと技術革新が進む。官民合わせ、膨大な情報、技術と人材が集中する東京に比べ、地方にいるハンディは気にならないのだろうか》
「全然関係ないね、うん。ドイツのフォルクスワーゲンと戦っとるだけだから。地球の裏側でも戦ってる。東京に居るのと浜松に居るのとあんまり関係ないじゃないか」
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「浜松という地方の目線で国内、そして世界を見ていくのか」と念を押すと、「それしかない」と鈴木さんは言い切った。その立ち姿は野武士然としていながら、フェアであり、どことなく優しい。本連載の次回以降で明らかになるが、それは、「弱い者いじめをするな」という渾身(こんしん)の経営哲学、あるいは中小企業型ビジネスモデルに通じる。地方のニーズに合った車づくり、さらにカースト制特有の身分・階層差別に代わる平等主義を浸透させて大成功を収めたインドでの生産などが、その証しだ。(産経新聞特別記者 田村秀男)
