--主力の「極ZERO(ゴクゼロ)」を刷新した
「極ZEROは痛風の原因とされるプリン体をゼロ、糖質をゼロにした『ゼロゼロ発泡酒』。業界で先行してきたが、2月に発表した刷新では、さらに人工甘味料ゼロを実現した。新たなゼロを追加することをコンセプトに開発を進めてきた。今度は『ゼロゼロゼロ』だ」
--人工甘味料をゼロにした狙いは
「発泡酒や第3のビールは『○○オフ』とか『○○ゼロ』が当たり前で、機能性の競争になっている。もともと極ZEROは中高年の男性がメーンターゲット。これを変えるわけでないが、ブランドを大きくするために裾野を広げたい。機能面を強く意識している女性も、極ZEROの主要ターゲットに加えたいと考えた」
--消費者や販売店の反応は
「既存の商品が新商品にほとんど切り替わるのは3月末なので、今はまだ販売店の反応だけだが、極めていい。人工甘味料の問題は、ビール業界の人間よりも、さまざまな食品を扱うスーパーのバイヤーの方が詳しく、感度が良い。米国では大手清涼飲料水で人工甘味料ゼロの競争が始まっていることもあり、大手流通チェーンの担当者から『(人工甘味料ゼロの)方向性は時代に合っている』と支持され、扱いを増やしてもらった」
--開発で苦労した点は
「人工甘味料はカロリーがゼロで甘みは強い。極ZEROは、うま味のもととなるプリン体もゼロなので、人工甘味料をなくすと、なかなか味わいがつかない。他の原材料との組み合わせを幾通りも繰り返して試し、1年かけて味わいを上げてきた」
--拡販に向けた宣伝活動は
「テレビCMを近く切り替える。1ケース購入すると、限定商品が必ずもらえるキャンペーンも予定している」
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【プロフィル】小林隆太
こばやし・りゅうた 法大社卒。1998年サッポロビール入社。家庭用営業、営業支援業務を経て、2012年9月からブランド戦略部サッポロブランドグループ。39歳。東京都出身。