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【キーマンに聞く】企画力、商品力に自信を持つキャリアブランド ソフトバンク コマース&サービス取締役・倉光哲男氏

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【キーマンに聞く】企画力、商品力に自信を持つキャリアブランド ソフトバンク コマース&サービス取締役・倉光哲男氏

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ソフトバンクコマース&サービス取締役倉光哲男氏  新たなICT(情報通信技術)サービス事業カンパニーを目指し、昨年4月にソフトバンクBBから分社化したソフトバンク コマース&サービス。今年度は飛躍への真価が問われる。新しい価値の提供をどのように具現化していくのか、他にはない優位性などを、メーカーと流通事業を手がけるモバイルアクセサリー部門から探る。現状と将来展望、海外事業への展開などを倉光哲男取締役に聞いた。

 商品に込めたライフスタイルの提案

 ――通信事業者であるソフトバンクの携帯電話用アクセサリー部門としての強みは何か

 モバイルアクセサリーの大半の商品を企画から開発・製造までを手掛けていることが他社のキャリアアクセサリーとの大きな差だ。われわれはメーカーであり、ニーズに合った機能的で斬新なデザインのアクセサリー商品をスピーディーに提供できる。これが強みだ。また販売流通事業では国内外の携帯電話メーカーに対応するアクセサリー3万6000点以上を取りそろえ、全国の販売パートナー1万1000店舗を通じて魅力的な商品を提供している。事業展開のベースにあるのは新しいライフスタイルを提案すること。今後もより積極化させていく。

 ――メーカーであることの優位性とは

 われわれの事業は、キャリアブランドとしての展開だ。お客様はキャリア(通信事業者)に対し、安全安心への期待を抱いている。それを商品に反映できるのはメーカーであるから。商品企画の段階から製造に関わる品質管理、販売後のカスタマーサポートまでを行っている。携帯端末は2年程度で交換する傾向だが、だからといって2年間だけの商品など考えない。店頭に並ぶ商品はすべて、100項目以上の検査をクリアしたものだけ。地味な展開だが、当たり前のことをきっちりとやる姿勢を全社員が共有している。

 ――「ソフトバンクセレクション」のブランドを推進しているが、どのようなコンセプトで展開しているのか

 新しい発想を取り入れ、高品質でデザイン性が高いラインアップといえる。デザイン、安全性、新発想といった価値の高いアイテムを提供し、お客様のモバイルライフをより豊かで便利にしていく。この方針に沿って展開するスマートフォンアクセサリーのブランド。パイオニアの自覚で新しいライフスタイルを創造する商品展開こそ、われわれの存在意義。これからも今後も挑戦する気持ちを緩めることはない。

 ――これまで投入した商品にはどのようなものがあるのか

 iPhone(アイフォーン)用として2009年に日本の伝統工芸である漆塗りのケースを商品化し好評を得た。10年には非接触型ICカード機能搭載シールを、12年にはブルーライトガードフィルムやデジタルテレビチューナーなどを投入した。いずれも国内初の商品で時代の流れに対応し、便利で機能的な商品ばかり。これらの商品開発は携帯電話を含め7年に及ぶ事業展開でのノウハウが生かされている。この間の累計出荷数は3600万個を超え、前述した販売流通を含め、われわれの実績、チャネル、商品力など総合力は、国内最大級である。

 ――今後、投入していく商品は

 スマホケースシリーズのサブブランド「EQUAL(イコール)」をアプローチしている。展開としては顧客満足度を高めるベーシックな商品を中心にする方針で、機能性の高さ、使いやすさ、利便性を追求した美しさを商品化する。第2弾として4月下旬から軽くて薄いが85%衝撃吸収力があるケース「エアショック」や、360度覗き見を防止するフリップケース「プライバシー」を発売する。

 日本を拠点に海外展開を加速

 ――携帯端末の卸売事業を手掛けるブライトスター(米フロリダ州)がソフトバンクグループに入ったが、シナジー効果をどのように発揮するのか

 海外の優れたアクセサリーを輸入し「Global LINE-UP」のロゴをつけてソフトバンクショップへ導入している。現在、16ブランド約500アイテムを約300店舗へ展開中だ。他では手に入らない世界の逸品をそろえた。また、われわれのソフトバンクセレクション約30アイテムを、ブライトスターを通じ米スプリント、豪テルストラ向けへの製品展開を始めている。

 ――今後の海外事業方針は

 今年度から本格的な海外向けの製造販売に向け、戦略を米国で行い企画開発は日本で行う。日本での新商品は市場の反応をみて海外展開を考えていくほか、通電アイテムの海外展開も継続する考えだ。企画開発では海外向け展開を意識するほか、オーディオ関連などラインアップを拡充する。当面の目標として、海外事業をアクセサリー事業の2割まで高めていく方針だ。

【会社概要】ソフトバンク コマース&サービス

 設立=2014年4月(ソフトバンクBBの事業部から分社化)

 資本金=5億円

 代表者=代表取締役社長兼CEO・溝口泰雄氏

 所在地=東京都港区東新橋1-9-2汐留住友ビル

 事業内容=IT関連製品の製造・流通・販売、IT関連サービスの提供

【ICT流通事業】

 ソフトウエア、ハードウエアなど40万点を超える豊富なIT商材、モバイル通信などのネットワークインフラに加え、これまで培ったノウハウを生かした各種コンサルタンティングサービスを提供。

【モバイルアクセサリー事業】

 企画・開発・製造を手掛けるメーカー。流通ではモバイルアクセサリーブランドやスマートトイなど新しいライフスタイルを提案する製品群を提供。「ソフトバンクセレクション事業」としてのモバイルアクセサリー展開は、国内最大級の規模を誇る。

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