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【浜松物語】「時代を超えた価値観が原点」…柳弘之ヤマハ発動機社長(上)

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【浜松物語】「時代を超えた価値観が原点」…柳弘之ヤマハ発動機社長(上)

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 ■【浜松物語「やらまいか」精神を訪ねて(9)】時代を超えた価値観が原点

 --日本楽器製造(現ヤマハ)のオートバイ製造部門が1955年に分離独立した

 「当時は二輪車が全国的なブームで、国内にメーカーが50社ぐらいあった。当社の創業者で日本楽器製造の社長を務めていた川上源一氏が、二輪車の専門メーカーとしてヤマハ発動機を設立した」

 --オートバイをはじめ製品のデザインには定評がある

 「創業当時からデザインを大切にしてきた。今年2月に亡くなった世界的な工業デザイナーの栄久庵(えくあん)憲司さんが、東京芸大の学生だった頃にデザインした作品が、当社のモーターサイクル第1号機『YA-1』だった。『鵯越(ひよどりごえ)をした鹿のように』がデザインのモチーフで、エレガントな躍動感を表現している。当社が今、デザインフィロソフィーに掲げている『洗練された躍動感』の原点がそこにある」

 --60年たった今も独特の存在感を持っている

 「今見ても(YA-1のデザインには)新鮮さと合理性がある。そういう『時を超えた価値観』を生み出すことを、ものづくりの原点の一つに置いている。栄久庵さんの代表作にキッコーマンのしょうゆ卓上瓶があるが、先日、同社の茂木友三郎名誉会長に会い、卓上瓶の形を今でも変えていないと聞いた。『時代を超えた価値観』を大切にし、それをグローバルに展開してきたという意味で(当社と)共通性がある」

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