SankeiBiz for mobile

【健康づくりは幸せづくり】株式会社サッポロドラッグストアー

ニュースカテゴリ:企業のサービス

【健康づくりは幸せづくり】株式会社サッポロドラッグストアー

更新

富山睦浩社長  ■地域、ニーズに合わせ4つの店舗形態

 43年前、新婚ほやほやの25歳の青年薬剤師が札幌市内に開業した薬局が、いまや道内に153店舗を展開するまでに成長し、昨年7月には株式を東証第1部に上場した。富山睦浩代表取締役社長が率いる(株)サッポロドラッグストアー。道民は親しみを込めて「サツドラ」と呼ぶ。その急成長の原動力は、どんな商圏もカバーできるよう綿密かつ柔軟に構築され、地域の特性や暮らし、顧客ニーズに合った4つの店舗フォーマットだ。300店舗体制を目指して快進撃を続ける富山社長に聞いた。

                  ◇

 □富山睦浩社長

 ■自社開発商品にも力を入れる

 --昨年7月に東証第2部から第1部へ指定替えになりました。第2部上場からわずか7カ月でしたね

 「第2部から第1部へ移るには本来1年以上の期間を置かなければならないのですが、東証と大証が合併した関係で、当社の場合は半年で指定替え可能とのことから、それならと申請したのです。お陰さまで出店のためのいい立地情報もこれまで以上に集まるようになりました」

 --札幌の手稲山口でスーパーの中に薬局を開いて43年目で現在153店舗。300店舗体制が目標と?

 「店舗はこれまでに240ぐらい作っているんです、スクラップ&ビルドで。北海道は広いですから、弊社がドミナント展開してきた札幌市内ひとつとっても、まだまだ空白地帯というか、出せるところはある。あるいは人口5000人から1万人ぐらいの街でスーパーがないところもありますが、弊社は食品にも力を入れていますから、立地によっては300坪ぐらいの規模で格好の業態の店づくりが可能です。スーパーに比べれば、ドラッグストアはバックヤードの部分がないから設備投資も軽くてすむので、その分、出店スピードを速くできるのです」

 --都心部や周辺地域、地方中小都市、農林水産地域など、それぞれの土地柄に合わせ、かつ商圏の大きさや特徴に合わせて、店舗規模も業態も柔軟に対応しながら出店する戦略ですね

 「私は、流通業の中でドラッグストアがもっとも激しく変化してきた業態だと思っています。昔はスーパーの中にテナントとして入り、その集客力に頼っていたが、商品の種類がどんどん多様化すると、売り場面積を大きくしないとお客さまが求める品ぞろえができない時代になった。そうした時代の流れに合わせて、弊社でもドラッグストア、スーパードラッグ、メガドラッグ、シティドラッグと4つの店舗フォーマットを作って、すべての商圏をカバーすることに努めています。例えば08年に札幌市北区に出した屯田店は約600坪、豊平区の中の島店は、シースルーのエレベーターで結ばれた各300坪の売り場が2層になったメガドラッグで、土地は約1000坪あります。ただ、高齢化の進展で最近は『あまり広すぎると歩けない』というお年寄りも増えている。そういうお客さま向けにはどのようなカテゴリーの品ぞろえをし、適当な売り場面積は?と、新たなフォーマット作りを含めて、いろいろ実験しながらやっています」

 --外国人観光客による「インバウンド消費」が注目されています

 「弊社でも札幌駅やすすきのだとかアウトレットモールの中などに、インバウンド向けに売り場面積の小さな店を出していますが、これが今すごいです。札幌のほかは函館とか旭川など立地は限られますし、都心の狭商圏ですが、空白地域の新しい立地として急速に浮上しています」

 --昨年スタートした北海道共通のポイントカード『エゾカ』に力を入れていますね

 「弊社はもともと『ヘルシーポイントカード』で道内トップの180万人のホルダーを抱えていたのですが、これをベースにさまざまな企業のご協力を得て、250万人を目標に“北海道カード”にしていきたいと考えています。Jリーグの『コンサドーレ札幌』にエゾカのポイントを還元することもできるようになったし、小規模の商店には安い費用でポイントカードシステムに加盟できるメリットもあります」

 --独自の話題商品があるそうですね

 「いい商品はメーカーが持ってくるのを待っているだけではダメだと、『クレアーレ』という自社開発商品にも力を入れており、いま600種類(sku)ぐらいあります。その中に大判の『サツドラ焼き』とか『サツドラ強炭酸』というのもあってこれが評判を呼んでいるんです」

                  ◇

【プロフィル】富山睦浩

 とみやま・むつひろ 1947年北海道根室市のサケマス船主の家に生まれる。6人兄弟の末っ子。札幌の北海高校、昭和医大薬学部卒。薬剤師として薬問屋と薬局に合わせて3年間勤務の後、72年、25歳で札幌市手稲区に個人商店の「サッポロドラッグストアー」創業。

                  ◇

 ■沿革=1983年、資本金1000万円で(株)サッポロドラッグストアー設立。札幌市内に店舗展開しながら、88年道南地区、93年札幌市以外の道央地区、97年道東地区へと出店を進める。過疎地域や小商圏にも着目し、2009年には人口4000人の浜頓別町、11年には同5500人の利尻島に出店。03年に株式を店頭登録し、04年ジャスダック上場。10年札幌証券取引所に重複上場。13年7月、東証と大証の統合に伴い、東証JASDAQに上場し、同12月東証第2部へ市場変更、14年7月第1部に指定替え。

                   ◇

 ■会社現況

  店舗面積によって、ドラッグストア(150~250坪)66店▽スーパードラッグ(250~350坪)53店▽メガドラッグ(350~700坪)21店▽シティドラッグ(150坪以下)3店-の4つの店舗フォーマットのほかに調剤のファミリー薬局10店があり、総店舗数は153店(2015年2月期現在)。

 ◇資本金=4億3958万円

 ◇売上高=537億6300万円

 ◇営業利益=7億500万円

 ◇純利益=4億1000万円(2015年2月期)

 ◇従業員=1766人(うちパートおよびアルバイト1121人)

 ◇本社=札幌市北区太平3条1丁目2-18

ランキング