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三越伊勢丹 最終益41%増 15年3月期 繰り延べ税金資産取り崩し

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三越伊勢丹 最終益41%増 15年3月期 繰り延べ税金資産取り崩し

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 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が11日発表した2015年3月期連結決算は、最終利益が前期比41.2%増の298億円と3期ぶりの増益となった。昨年4月の消費税増税後の個人消費の低迷が響き、販売は落ち込んだものの、今年4月からの法人税の実効税率2.51%の引き下げを前に約126億円の繰り延べ税金資産を取り崩したことなどによって増益を確保した。

 売上高は3.7%減の1兆2721億円にとどまった。本業のもうけを示す営業利益は4.5%減の330億円だった。

 営業利益の事業別の内訳は、百貨店事業が7.4%減の214億円、クレジット・金融・友の会事業は会員数の拡大などにより7.4%増の55億円、不動産事業が1.2%減の63億円となった。

 16年3月期の連結業績予想は売上高が前期比2.2%増の1兆3000億円、営業利益が5.8%増の350億円、最終利益は16.4%減の250億円を見込む。

 同日、東京都内で記者会見した大西洋社長は、業績の鍵を握る個人消費の動向について「中間層はまだまだだが、昨年の11月や12月に比べると首都圏は多少戻り始めている」と、潮目の変化を指摘した。実際、足元は高級ブランドの紳士向けスーツの販売が伸びており、「いかに付加価値のある商品が提供できるかが勝負」と強調。訪日外国人消費が増えることなども見込み、三越銀座店など首都圏の店舗を中心に販売が回復に転じるとした。

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