ソニーが開発中の「仮想現実」を試してみた 大げさではないリアリティ、広がる様々な世界
更新
気になったのは、15分程度の体験だったが、少し疲労を感じたことだ。目に負担がかかるほか、それなりの重さのヘッドセットをつけていることもある。また、これも没入感ゆえに、独りで遊んでいると外部で起きていることに気づきにくい。電話に出られないくらいならともかく、地震などの災害時なら、という不安もある。また、現実の世界から“断絶”して独りで楽しんでいる姿は、周りの人が見るとやや異様に映るかもしれない。
PSというブランドは、米国を中心に映像や音楽のサービスにも広がっており、仮想現実に関しても、ゲーム以外の楽しみ方がありそうだ。SCE戦略・商品企画部の西野秀明部長は「例えば、ピラミッドを実際に見に行くのは時間やお金がかかるが、仮想現実の中では、世界遺産だけでなく、火星にだって『ほぼリアル』に行けるようになる」と話す。実際、米国では1969年のアポロ11号に搭乗し、月面着陸を体験できるというコンテンツもつくられている。現時点ではさまざまな課題はあるが、限りない可能性を秘めた技術といえそうだ。(高橋 寛次)




