動画配信の巨人、世界制覇へ突進 「黒船」ネットフリックスが日本上陸
更新そこでヘイスティング氏は、郵送でDVDがやりとりできるサービスを始めた。しかも月額固定料金なので、遅延を気にせず、ゆっくり自分の生活ペースで鑑賞できる。実はここに、録画不要でいつでもどこでも動画を楽しめる今の配信サービスにつながるヒントがあった。
そして満を持して2007年、動画ストリーミングのサービスを新たに開始する。「祖業」のDVD宅配レンタルも好調で、既存のレンタル業者の最大手を倒産に追い込むほどに力をつけた。会員数は10年に2千万人を突破した。
だが、試練が待っていた。それまでDVDレンタルとストリーミングがセットの料金で見放題だったが、両者を切り離して新料金体系を導入し、「実質値上げ」と受け止めたユーザーが猛反発したのだ。脱会が相次ぎ、辞任要求の突き上げも食らったヘイスティング氏は、今やライバルともなりつつある動画投稿サイト「ユーチューブ」で、「過去の成功で傲慢になっていた」と謝罪する屈辱を味わわされた。
さらに、当初は協力的だった配給元が、急成長するネットフリックスに「脅威を感じ始めた」(米メディア)のか、契約で難航するケースも出始めた。米アマゾンなど類似のサービスを始めるライバルが増え、米テレビ局もオンライン配信の強化へ乗り出している。
