ダイエー、特別な地で反転攻勢 往年の輝きを取り戻せるか
更新屋号の行方は
イオンの完全子会社として改革に乗り出したダイエーだが、ここに至るまでには曲折があった。
昭和32年に創業したダイエーは安売りスーパーを増やす戦略で規模を拡大。高度経済成長期の地価上昇が生んだ含み益をテコに多角化を進め、瞬く間に流通王の座をつかんだ。一方、イオンの前身のジャスコはダイエーとの安売り競争に敗北。都市部で勢力を増すダイエーを避けるように郊外で雌伏の時を過ごした。
ところが、バブル崩壊で情勢は一変、ダイエーの不動産は逆に含み損につながった。モータリゼーションの波にも乗ってイオンは郊外型のショッピングセンターを押し広げ、手ごろな価格の商品展開で節約志向を強める消費者の心をつかんだ。
ダイエーは残された巨額の債務と低収益の事業に苦しみ、産業再生機構(平成19年に清算)の支援を経て18年から丸紅が再建に乗り出した。翌19年にはスーパー業界の牽引役となっていたイオンが丸紅、ダイエーと資本提携。25年にはイオンがダイエーの筆頭株主となり再建を主導することになった。


