立ち食いそば、生き残りへ反転攻勢 熾烈な業界内競争…牛丼などもライバル
更新同社は訪日外国人だけでなく、主力のサラリーマン層の開拓でも、新たな需要掘り起こしを進めている。
夕方以降の客を狙い、一部店舗で枝豆、フライドポテト、板わさなどの「ちょい飲み」メニューの提供を始めた。そばを食べるだけの従来とは異なる需要を喚起し売上高増加に結びつける。「今後、導入店舗を増やしていく」(担当者)計画だ。
日本最多の160店以上を出店する「ゆで太郎」を運営する信越食品(同大田区)は、麺の品質の高さを武器に、積極的な店舗拡大戦略を進める。各店舗の店内で粉から製麺する「ひきたて」「打ちたて」「ゆでたて」の“三たて”で顧客の支持を集め、別会社を通じ年間25~30店舗とハイペースの出店を続ける方針だ。
競争は業界内にとどまらない。強力なライバルの一つが牛丼チェーンだ。
例えば、厚生労働省がまとめた2012年度の生活衛生関係営業経営実態調査によると、立ち食いそば・うどん店の約50%は同年度の売上高が前年度比5%以上減少した。これは、牛丼チェーンによる低価格競争のあおりとみられている。
逆に牛丼各社ではその後、値上げに転じたことで客数が大幅に減少。厚労省の追跡調査結果は出ていないが、これらの客が立ち食いそば店に流れてきたとの見方がある。
